Carecalculate社会保障制度と費用を知る

就労移行支援の制度と支援内容

掲載内容:2026年度の障害福祉制度の概要

まず知っておきたいこと

どんなときに使う?
一般の職場で働くことを目指し、仕事の練習や就職活動、働き始める準備の支援を受けます。
費用が変わるのは?
利用日数や事業所の区分で変わります。料金表にある就職後の定着率は、本人が就職できる確率ではありません。
次はどこへ相談する?
相談支援の担当者や事業所に、希望する仕事と配慮してほしいことを伝え、見学や体験を相談してください。

詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。

働きたいけれど仕事探しや通勤に不安がある人へ。就労移行支援の訓練・職場実習、原則2年の利用期間、職員の配置と利用料の例を解説。工賃と給与の違い、休職中の利用条件、就職後の相談先まで確認できます。

自分に合う仕事を探し、働き続ける準備をする

就労移行支援は、一般の会社などで働きたい障害のある人が、仕事に必要なことを練習し、仕事探しや就職後の相談を受けるサービスです。「働きたいが、毎日通えるか不安」「どんな仕事なら続けられるか知りたい」といった段階から相談できます。

事業所で訓練を受けること自体は、そこで社員として雇われることとは違います。就職を約束する制度でもありません。本人が希望する働き方と、実際に必要な配慮を確かめ、応募する仕事を一緒に考えます。

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通う練習から職場実習・応募まで、必要なことを組み合わせる

支援を受ける場面の例
場面一緒に確認・練習すること
通所・通勤決まった時間に出かけ、疲れ方や休憩の取り方を確かめる。必要に応じて通勤の練習も行う。
仕事の練習作業の手順を覚える、分からない点を聞く、終わったことを報告するなど、仕事に必要な力を身につける。
職場実習実際の職場を体験し、仕事内容や環境、必要な配慮を確認する。
仕事探しハローワーク等と連携し、求人を探して応募する。自分の希望・得意なことに合う職場を考える。

パソコン中心、作業中心など、訓練の内容や実習先は事業所ごとに異なります。体験時には「希望する職種の練習があるか」「週何日・何時間から相談できるか」「体調を崩したときに計画を調整できるか」を聞きましょう。決まった訓練を全員が同じ順番で受ける必要はありません。

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原則65歳未満。就職を目指す人のほか、復職等の利用もある

主な対象は、一般の会社などへの就職が見込まれ、訓練や支援を必要とする65歳未満の障害のある人です。65歳以上でも、65歳になる前の5年間、継続して障害福祉サービスの支給決定を受け、65歳になる前日も就労移行支援の支給決定を受けていた人は対象になり得ます。入院など、やむを得ない理由で利用の決定を受けていなかった期間には例外があります。

会社に在籍している人も、一時的な支援が必要な場合は利用の対象になります。ただし、働いている人が誰でも併用できるわけではありません。

就職後・休職中に利用する主な形
状況利用の条件と期間
働き始めて勤務時間を延ばしたいおおむね週10時間以上20時間未満から段階的に増やす場合。就職前と同じ事業所の継続利用、会社の同意、市区町村の判断等が必要。原則3~6か月以内、必要な延長を含め合計1年まで。
休職から元の職場に戻りたい会社・医療機関等の復職支援が見込めないか困難で、本人の希望、会社・主治医の判断、市区町村の判断がそろう場合。会社の休職期間が終わるまでで、上限2年。
おおむね週10時間未満で就職した就労移行支援を経て就職し、引き続き訓練することで勤務時間・日数を増やす、又は新たな職種を目指す必要がある場合。本人への負担や他の支援の利用も市区町村が検討する。

復職の申請では、会社・主治医・相談支援事業所等からの資料で条件を確認します。利用開始を決める前に、市区町村と、会社や主治医の担当者へ相談しましょう。

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標準は2年。目標と残り期間を確かめながら進める

通常の就職を目指す訓練は、標準利用期間が2年間です。開始時の暫定利用期間も含みます。必要な場合は市区町村審査会の個別審査を経て、原則1回、最大1年間の更新ができます。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の資格取得を目的とする養成課程は3年又は5年です。

「2年間通わないと就職できない」という意味ではありません。事業所は少なくとも3か月ごとに個別の計画を見直します。今の練習が希望する仕事につながっているか、実習や応募にいつ進むかを話し合います。複数回の利用も可能ですが、再利用や期間の更新は、その人の状況を踏まえて市区町村が判断します。

働き方を改めて考えたいときには、希望や適性、必要な支援を整理する「就労選択支援」も相談できます。2026年度は、通常の就労移行支援を始める全員に、その利用が一律に義務づけられているわけではありません。

働き方を一緒に整理する就労選択支援を見る

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訓練・生活・就職を担当する職員が連携する

通常の就労移行支援の基本的な人員
担当人数と役割
職業指導員・生活支援員両職種を合わせ、利用者6人につき常勤換算で1人以上。それぞれ1人以上を置き、どちらか1人以上は常勤。仕事の練習と生活面を支える。
就労支援員利用者15人につき常勤換算で1人以上。職場実習・仕事探し・就職後の支援を行う。
サービス管理責任者利用者60人以下は1人以上。超えた人数40人ごとに1人追加(端数を含む)。1人以上は常勤。個別計画をまとめる。

常勤換算は、職員の勤務時間を、常勤の職員何人分に当たるかに換算した数です。利用者数は前年度の平均、新設時は見込みで数えます。いつでも利用者6人に職員1人がつききりという意味ではありません。資格取得の養成施設には別の人員基準があります。

通常の事業所には訓練・作業室、プライバシーを守れる相談室、洗面所・トイレ、多目的室等が必要です。見学では、作業中の音や人との距離、休憩できる場所、移動のしやすさも確かめると、毎日通う様子を想像しやすくなります。

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利用料は原則1割。月額上限と食費・交通費を分けて考える

定員20人以下・定着率5割以上の事業所を20日使う例
計算単位・金額
基本部分1,210単位×20日=24,200単位。
処遇改善加算Ⅱイ11.3%2,735単位を加え、合計26,935単位。
1単位10円と仮定給付対象費用269,350円。原則1割は26,935円。

成人の通所では、生活保護・住民税非課税世帯の月額上限は0円、一定の所得までの課税世帯は9,300円、それ以外は37,200円です。原則として本人と配偶者の所得で区分し、受給者証で上限を確認します。上の例なら、上限9,300円の人は給付対象の負担が9,300円までになります。他の対象サービスを使う場合は合計して管理します。

事業所の「定着率」は、就職後6か月以上働き続けた人についての算定上の実績区分です。自分が就職できる確率ではありません。計算に使う区分は事業所に確認してください。当サイトはサービス費Ⅰ・定員20人以下と固定の処遇改善加算を扱い、養成施設のサービス費Ⅱや指定障害者支援施設内の場合は対象外です。

食費や交通費などの実費は、上の月額上限とは別です。送迎、昼食、教材等について、何にいくらかかるのかを契約前に確認します。例には他の加算・減算や実費を含めていません。

事業所の区分・日数・月額上限から利用料を計算する

就労移行支援の報酬区分と加算の条件を見る

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訓練に通うだけで給与が出る制度ではない

就労移行支援は就職の準備をするサービスなので、毎月決まった給与を受け取れるとは限りません。一方、製品づくり等の生産活動を行う場合は、その収入から必要な経費を引いた額を「工賃」として支払う決まりがあります。工賃の有無や金額は、実際に行う活動によって異なります。

見学では、利用料や交通費と、受け取れる工賃を別々に聞きましょう。支援を受けながら雇用契約を結んで働くA型、雇用契約を結ばず作業等を行うB型とは、利用の目的や仕組みが違います。

雇用契約を結んで働くA型を見る

雇用契約を結ばず作業等を行うB型を見る

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就職後も6か月以上は相談を続け、その先の支援へつなぐ

就職したら支援がその日に終わるわけではありません。事業所は関係機関と連携し、就職した日から6か月以上、仕事や生活の相談を続けることとされています。働き始めて分かった疲れ方、職場で伝えにくいこと、生活の変化も相談できます。

その後も支援が必要で本人が希望する場合は、別サービスの就労定着支援へつながるよう調整します。復職や勤務時間を延ばすための利用には期間の数え方に違いがあるため、誰がいつまで担当するかを就職・復職の前に確認しておきましょう。

働き続けるための就労定着支援を見る

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市区町村に相談し、見学で自分に合う訓練を確かめる

  1. 市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に、希望する仕事と今困っていることを相談する。
  2. 候補の事業所を見学・体験し、訓練内容、実習先、通う頻度、費用、就職後の支援を比較する。
  3. 申請と利用計画を進め、支給決定・受給者証・事業所との契約内容を確認する。
  4. 利用を始め、得意なことや必要な支援を確かめる。原則2か月以内の暫定期間の結果を踏まえて、本格的な訓練につなぐ。

すでに同等の評価が行われている場合など、市区町村が暫定期間を設けないこともあります。体験と、受給者証による正式な利用は扱いが異なるため、費用と開始日を確認します。就職実績の数字だけでなく、自分の希望を聞いてくれるか、困ったときに相談しやすいかも選ぶ材料です。

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応募先や情報の伝え方を、本人と相談して決める

本人の希望に沿って個別計画を作り、説明と同意を経て支援を進めます。事業所の実績を上げるためだけに、望まない仕事への応募を急がせることは適切ではありません。職場へ障害や支援内容をどう伝えるかは、事前に相談しましょう。

支援先へ個人情報を提供する際は、事前の文書同意が必要です。身体拘束は緊急やむを得ない場合を除き禁止されています。支援や職員の対応で困った場合には、事業所の苦情窓口だけでなく、市区町村等の外部窓口にも相談できます。

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体調や通所の難しさを共有し、無理のない練習にする

事業所には、急な体調の変化への対応、事故の記録と連絡、感染症や災害時にも必要な支援を続けるための計画・訓練が求められます。本人は、体調を崩しやすい場面や、助けてほしいときの伝え方を担当者と確認しておくと安心です。

通所や実習に行けなくなった日の連絡先、途中で休む場所、主治医等と相談する方法も決めておきます。「予定どおり通う」ことだけを目標にせず、就職してからも続けられる生活と働き方を探していきましょう。

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出典・掲載範囲

2026年6月の障害福祉サービス報酬、現行運営基準、2025年改正の就労支援通知に基づきます。料金例は施設外のサービス費Ⅰ・定員20人以下・定着率5割以上・20日・1単位10円、処遇改善加算Ⅱイ。ほかの加減算・実費は含みません。個別の利用期間と在職中の利用は市区町村の支給決定によります。

利用する前のQ&A

就労支援の「定着率」は、自分が就職できる確率ですか?

対象:就労移行支援・就労定着支援

掲載内容:2026年6月施行の障害福祉サービス等報酬改定に基づく内容

事業所の報酬区分に使う実績で、本人の就職確率を表す数字ではありません。事業所に算定上の区分を確認して使います。

就労移行支援の試算は定員区分と利用日数に応じたサービス費Ⅰです。就労定着支援は基本月額であり、面談回数をそのまま掛ける計算ではありません。どちらも本人の賃金・収入を求めるものではありません。

根拠・参考:就労移行支援:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載) 就労定着支援:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載)

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