掲載内容:2026年度の障害福祉制度の概要
まず知っておきたいこと
- どんなときに使う?
- 一般の職場に就職した後、生活や職場で生まれた困りごとを整理し、働き続けるための調整を受けます。
- 費用が変わるのは?
- 支援に対する月額の報酬と、本人の給料は別です。面談の回数だけで月額を何倍にもする仕組みではありません。
- 次はどこへ相談する?
- 就職前に利用した支援先や相談支援の担当者に、利用できる期間と職場での困りごとを相談してください。
詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。
就職後の疲れや職場とのやり取りに困っている人へ。就労定着支援で相談できる内容、対象となるサービス利用歴と開始時期、月の費用を解説します。面談と支援レポート、最長3年の期間、終了後の相談先への引継ぎも分かります。
参考表示の地域:地域未選択(地域ごとの実施・単価は別途確認)
就職後に困りごとが出たとき、仕事と生活の両方を整える
就労定着支援は、障害福祉サービスを利用して一般の会社などに就職した人が、働き続けるための相談をするサービスです。「帰宅後に疲れて食事や睡眠が乱れる」「職場で頼み方が分からず、一人で抱えてしまう」など、就職してから分かった困りごとを一緒に整理します。
担当者は、本人と話すだけでなく、必要に応じて会社、医療機関、福祉の担当者との間をつなぎます。仕事探しや就職前の訓練を中心にする就労移行支援とは、使う時期と役割が異なります。
この説明と表の根拠を確認する
生活リズム・職場への伝え方・通院との両立を相談する
働き始めてからの相談例| 困っていること | 支援で一緒に考えること |
|---|
| 疲れがたまり、朝起きられない | 勤務後の過ごし方や睡眠、食事を振り返り、無理のある部分を整理する。必要に応じて医療や生活支援の担当者へつなぐ。 |
|---|
| 仕事の指示が分かりにくい | どの場面で困るかを整理し、説明の方法や質問する相手について、本人の同意を得て職場と相談する。 |
|---|
| 通院と勤務の予定が合わない | 本人・会社・医療機関等の間で、相談が必要な点や連絡の方法を整理する。 |
|---|
| お金や家庭のことで仕事に集中できない | 生活上の課題を整理し、必要な制度や相談先につなげる。 |
|---|
「仕事のことだから会社だけ」「生活のことだから家族だけ」と分けず、両方のつながりを考えます。担当者が本人に代わって雇用条件を決めたり、治療を行ったりするものではありません。何を変えたいかを本人と確認し、関係する人へ相談します。
この説明と表の根拠を確認する
対象サービスを使って就職し、6か月が経過した人
生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型などを利用して、一般の会社等に新たに雇用され、就労を継続して6か月が経過した人が対象です。A型事業所への就職は、ここでいう一般の会社等への就職には含みません。
通常の就職後の流れ| 時期 | 相談する先 |
|---|
| 就職から最初の6か月 | 就職前に利用していた就労移行支援等の事業所などが、職場に慣れるための相談・支援を行う。 |
|---|
| 6か月が経過した後 | 支給決定を受けて就労定着支援を利用する。例えば4月1日就職なら、通常は10月1日からが開始の時期。 |
|---|
| 利用期間の終わりが近づいたら | 会社や障害者就業・生活支援センター等と、終了後も相談できるつながりを準備する。 |
|---|
復職や勤務時間を延ばすために就労系サービスを一時利用した人も対象になり得ます。この場合は、一時利用が終わった後の就労継続期間なども確認するため、単に最初の採用日から6か月と数えず、市区町村に経過を伝えます。
就職前に対象のサービスを利用していない人など、就労定着支援の対象に当てはまらなくても、仕事の相談ができないわけではありません。障害者就業・生活支援センター、ハローワーク、市区町村等へ相談できます。
この説明と表の根拠を確認する
本人とは月1回以上面談し、支援の内容をレポートで確認する
事業所は、月1回以上、本人との対面等による支援を行います。さらに、月1回以上は会社を訪ね、職場での様子を把握するよう努めることとされています。本人との支援と、会社への訪問は、同じ扱いではありません。
支援内容をまとめた「支援レポート」を月1回以上、本人へ渡すことが報酬の条件です。話したこと、職場と調整したこと、次に確かめることを、本人が分かる形で確認しましょう。家族や会社等へ共有する場合も、本人の同意を得て行います。
仕事中に面談しにくい場合は、面談の時間帯・場所・方法を相談します。テレビ電話等が使えるか、定期面談の間に困ったときはどう連絡するかも、契約時に決めておくと安心です。
この説明と表の根拠を確認する
就労定着支援員が担当し、関係者との調整を行う
国の基本的な人員基準| 担当 | 人数と役割 |
|---|
| 就労定着支援員 | 利用者40人につき常勤換算で1人以上。本人との相談、職場や医療等との調整を担当する。 |
|---|
| サービス管理責任者 | 利用者60人以下は1人以上。超えた人数40人ごとに1人追加(端数を含む)。1人以上は常勤。支援計画をまとめ、職員に助言する。 |
|---|
常勤換算は、職員の勤務時間を常勤の職員何人分かに直した数です。利用者数は前年度の平均、新設時は見込みで数えます。同じ場所で生活介護や就労移行支援等も一体的に運営する場合、サービス管理責任者の人数は対象サービスの利用者を合計して決めます。
事業には必要な広さの区画と設備・備品を備えますが、部屋の面積が全国一律に決まる制度ではありません。利用前に、担当者の経験や職場訪問の範囲、自宅・会社・事業所などどこで相談するか、周りに話を聞かれない方法を確認します。
この説明と表の根拠を確認する
費用は月単位。面談の回数を掛ける計算ではない
事業所の就労定着率95%以上・1か月の例| 計算 | 単位・金額 |
|---|
| 基本部分 | 1か月3,512単位。 |
|---|
| 処遇改善加算Ⅲ9.8% | 344単位を加え、合計3,856単位。 |
|---|
| 1単位10円と仮定 | 給付対象費用38,560円。原則1割は3,856円。 |
|---|
「就労定着率」は、事業所の算定上の実績です。本人が働き続けられる確率ではありません。基本報酬は事業所の区分と、その月の支援実施等の条件で決まり、面談を2回受けたから基本部分が2倍になる仕組みではありません。
利用者負担には所得に応じた月額上限があり、生活保護・住民税非課税世帯は0円、一定の所得までの課税世帯は9,300円、それ以外は37,200円です。原則本人と配偶者の所得で区分し、受給者証で確認します。複数の対象サービスを利用する場合は合計して管理します。
例には他の加算・減算や交通費等を含めていません。通常の実施地域を超えて訪問する場合の交通費等は、説明と同意のうえで別途必要となることがあります。当サイトは基本報酬と固定の処遇改善加算を1か月分試算します。
事業所の定着率区分から月の利用料を計算する
支援レポートや加算などの算定条件を見る
この説明と表の根拠を確認する
利用は最大3年。終了後の相談先を早めに準備する
就労定着支援の標準利用期間は3年間で、これを超えて更新することはできません。原則1年ごとに支給決定を更新します。新たに指定された事業所で、就職から一定期間が過ぎてから利用する場合には、残りの期間で利用する取扱いもあります。利用開始日と終了予定日を確認しておきましょう。
終了後も一定期間の支援が必要と見込まれる人については、終了の3か月以上前に本人の同意を得て、会社や関係機関と情報を共有することが求められます。職場の相談相手、医療の担当者、障害者就業・生活支援センター等へ、困りごとと有効だった支援を引き継ぎます。
期間中に離職し、別の仕事を希望する場合も、相談支援や他サービスにつなぐ調整を行います。退職したことだけを責められたり、自分だけで次の窓口を探したりしないよう、早めに担当者へ連絡してください。
この説明と表の根拠を確認する
就職前の支援者に相談し、6か月後への引継ぎを決める
- 就職前に利用した事業所へ、定着支援を希望することと、働き始めて困っていることを伝える。
- 市区町村へ対象条件・開始時期・利用料を相談し、利用計画と支給決定を進める。
- 利用する事業所と、面談の方法、会社への連絡内容、定期面談以外の相談方法を決める。
- 契約・計画を確認して支援を始め、レポートで振り返る。終了後の相談先も準備する。
就労定着支援は、A型等のような暫定支給決定は行わずに決定します。自立生活援助や自立訓練(生活訓練)とは併給できないため、すでに利用中の場合は、切替えや役割分担を市区町村に相談します。
自宅での生活を支える自立生活援助を見る
この説明と表の根拠を確認する
会社へ何を伝えるかは、本人の同意を確かめる
生活や体調の話を相談したからといって、すべてを会社や家族へ伝えてよいわけではありません。支援のための情報提供には事前の文書同意を得て、相手と内容を確認します。支援レポートを共有する範囲も相談できます。
本人が大切にしたい働き方を確認し、計画を分かる方法で説明してもらいます。担当者に言いにくいこと、個人情報の扱いへの不安、支援内容への不満は、事業所の苦情窓口や市区町村等にも相談できます。
この説明と表の根拠を確認する
定期面談を待てない相談の連絡先を決めておく
急に体調を崩した、職場に行けなくなった、担当者に連絡がつかないといったときの連絡方法を確認します。就労定着支援は、24時間の救急対応を一律に引き受けるサービスではありません。仕事の連絡先、主治医等の医療の相談先、支援事業所の窓口を分けて共有します。
事業所は、感染症や災害時にも必要な支援を続けるための備えや、事故時の記録・連絡を行います。面談が中止になる場合や担当者が休む場合に、別の連絡手段や担当者へつながるかも確認しておきましょう。
この説明と表の根拠を確認する
出典・掲載範囲
2026年6月の障害福祉サービス報酬と現行の運営基準・支給決定通知に基づきます。料金例は就労定着率95%以上・1か月・1単位10円、処遇改善加算Ⅲ。ほかの加減算・実費は含みません。復職等の開始時期と残りの利用期間は個別の就労・サービス利用歴で確認します。
利用する前のQ&A
就労支援の「定着率」は、自分が就職できる確率ですか?
対象:就労移行支援・就労定着支援
掲載内容:2026年6月施行の障害福祉サービス等報酬改定に基づく内容
事業所の報酬区分に使う実績で、本人の就職確率を表す数字ではありません。事業所に算定上の区分を確認して使います。
就労移行支援の試算は定員区分と利用日数に応じたサービス費Ⅰです。就労定着支援は基本月額であり、面談回数をそのまま掛ける計算ではありません。どちらも本人の賃金・収入を求めるものではありません。
根拠・参考:就労移行支援:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載) 就労定着支援:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載)
この質問のリンク このサービスのQ&Aをすべて見る掲載内容・計算について報告する