Carecalculate社会保障制度と費用を知る

精神科訪問看護の制度と支援内容

掲載内容:2026年6月1日施行の診療報酬改定に基づく内容

まず知っておきたいこと

どんなときに使う?
精神科医の指示を受け、家での療養や薬、日常生活、人との関わりなどを支える訪問看護です。
費用が変わるのは?
訪問時間や回数、職種、管理費や追加の支援で変わります。病院からの訪問と訪問看護ステーションの料金体系は別です。
次はどこへ相談する?
通院先の精神科医に生活の困りごとを伝え、訪問元と自立支援医療などの助成について相談してください。

詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。

眠りや薬、退院後の暮らしに不安がある人と家族へ。精神科訪問看護で相談できること、職種、訪問日数、始め方を解説。2026年6月の報酬に基づく月8日の費用例と、自立支援医療の1割負担・月額上限を紹介します。

通院の間の暮らしを、家で一緒に整えるための看護

精神科訪問看護は、精神疾患のある人が地域で暮らし続けられるよう、看護師や作業療法士などが家へ来る医療の支援です。精神科の主治医の指示に沿って、睡眠、食事、薬、気分の変化などを一緒に振り返ります。

例えば「病院では話せたけれど、家へ戻ると薬を飲む時間が乱れる」「退院後、一人で過ごすことが不安」という場面で相談できます。本人が何に困り、どんな暮らしを続けたいかを聞き、今できることから計画します。決まった生活の仕方を押しつけるための訪問ではありません。

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精神科の主治医に、訪問で支えてほしい場面を相談する

精神疾患があり、訪問看護が必要と主治医が判断することが入口です。指示書を出す医師は、精神科を掲げる保険医療機関で精神科を担当する医師です。精神科訪問看護の届出をしているステーションが、指示書と計画に沿って訪問します。

利用前に整理すること
確認する点なぜ必要?
病状と暮らしの困りごと診断名だけで一律に決めず、家で必要な看護を判断するため。
介護認定があるか精神科訪問看護の条件を満たす訪問は、認定があっても医療保険で扱う例外に含まれるため。
自宅・施設・入院中の外泊のどれか住まいや利用状況で算定条件が変わるため。
退院日と、ほかの訪問看護の利用退院直後の日数の特例や、ほかの訪問との調整を確認するため。
自立支援医療などの受給者証費用の軽減に関わるため。訪問看護の必要性や指示書とは別に確認する。

認知症など複数の病気があるときも、精神科へ通っているという理由だけでこの区分になるわけではありません。主な病気と必要な看護を主治医・事業所に確認します。一般の訪問看護の「別表第7・第8」の判定を、そのまま精神科の条件に置き換えません。

医療保険の一般の訪問看護と比べる

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薬の確認だけでなく、睡眠・外出・人との関わりも相談できる

本人の困りごとから考える支援例
困っている場面一緒に考えること
眠る時間や食事が乱れる調子のよい日・悪い日の違いを振り返り、無理のない一日の過ごし方を考える。
薬を飲み忘れる、副作用が心配飲めない理由や体調変化を確認し、主治医へ伝える。薬の種類や量は看護師が独自に変えない。
不安や気分の変化で生活しづらい変化のきっかけ、困ったときの対処や連絡先を一緒に整理する。
外出や人付き合いに踏み出しにくい本人がやってみたい活動を聞き、小さな目標や必要な支援を考える。
家族が接し方に迷っている本人の希望と情報の扱いに配慮し、関わり方や相談先を家族と確認する。

これは支援の例です。毎回全てを行うのではなく、本人の希望と状態に合わせます。訪問看護は家事代行や、自由に薬を変えられる診察の代わりではありません。家事や外出の介助も必要なら、相談支援や障害福祉などの担当者と役割を分けます。

家事や身体の介助を受ける障害福祉の居宅介護を見る

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精神科の経験や研修を受けた看護職・作業療法士が訪問

基本療養費の対象になる職種は、保健師・看護師・准看護師・作業療法士です。精神科病棟や外来、精神科訪問看護、精神保健の業務で1年以上の経験があるか、所定の精神科訪問看護研修を修了するなどの条件があります。理学療法士・言語聴覚士をこの区分にそのまま含めるものではありません。

ステーション全体では看護職員が常勤換算2.5人以上、うち1人が常勤という基準があります。管理者は原則、必要な知識・技能を持つ常勤の保健師・助産師・看護師です。この人数は事業所の体制を示すもので、毎回複数人で来るという意味ではありません。

計画は相当の経験を持つ保健師等(准看護師を除く)が作り、本人に説明します。月初めの訪問ではGAFという症状や生活の状態をみる尺度を記録する決まりもあります。点数だけで本人を決めつけず、実際の困りごとと希望を計画の見直しに結びつけます。

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通常は週3日まで。退院後3か月は週5日までの扱い

回数と時間は、それぞれ確認する
項目主な条件
通常の訪問日数原則週3日まで。一般の訪問看護等と合わせて数える。週は日曜~土曜。
退院後の訪問日数退院日を含めず退院後3か月以内は週5日まで。期間をまたぐ週にも数え方の決まりがある。
一時的に頻回の訪問が必要精神科特別訪問看護指示書の交付日から14日以内、月1回の特例。
30分未満の訪問短時間での訪問が必要と医師が認め、指示書へ明記することが必要。
同日複数回・90分を超える訪問・複数職員の同行それぞれ別の条件と加算がある。特別指示だけで全てが認められるわけではない。

短くすれば安い、長ければよいと時間だけで決めるのではなく、必要な支援と本人の負担を相談します。会うこと自体が疲れるときや、予定外に調子が変わったときも主治医・担当者へ伝えてください。

訪問日数・短時間・加算の条件を詳しく見る

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週2回・月8日の例:通常3割なら約24,050円

精神科訪問看護の基本療養費Ⅰは、保健師・看護師・作業療法士が30分以上訪問し、週3日目までなら1日5,550円です。これに管理料や届出・体制による加算などを足して、本人の負担割合を掛けます。

2026年6月~2027年5月の料金で、1事業所から日中に看護師が30分以上、週2日・月8日訪問する例です。基本療養費Ⅰ、通常型管理料、単一建物の利用者20人未満、24時間対応体制加算イに同意する条件とします。

この条件での月8日の費用全体
項目保険と本人の負担を分ける前の金額
精神科訪問看護基本療養費Ⅰ5,550円×8日=44,400円
管理療養費初日7,710円+3,010円×7日=28,780円
物価対応料初日60円+20円×7日=200円
24時間対応体制加算イ月6,800円
合計80,180円

この例の通常の本人負担は、1割なら約8,020円、2割なら約16,040円、3割なら約24,050円です(10円単位の目安)。夜間等や事業所固有の加算、交通費などは含まず、高額療養費・自立支援医療等による軽減前の金額です。

自分の訪問予定で、公費を使う前の月額を試算する

開始前に加算と交通費などの説明を受け、支払時には項目ごとの明細を確認します。同じ日数でも、訪問時間、看護職種、建物の条件、事業所の届出によって料金は変わります。

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自立支援医療を使うと原則1割。月の上限も受給者証で確認

自立支援医療(精神通院)は、精神障害やそれに起因する病態の、入院しない医療の負担を軽くする制度です。対象には訪問看護も含まれ、原則1割負担になります。所得や「重度かつ継続」等の区分によって月の上限も定められます。

例えば、上の月8日の費用が全て対象で、受給者証の月額上限が5,000円という条件なら、訪問看護だけで約8,020円を払うのではなく、上限の対象となる病院・薬局・訪問看護の支払いを合わせて月5,000円までで管理します。5,000円は説明のための例で、全員の上限ではありません。交通費など対象外の費用は別です。

精神障害に関係のない病気、入院、保険外の費用まで全て対象になるわけではありません。生活保護の人は福祉事務所へ相談し、医療扶助等の扱いを確認します。指定難病・小児慢性特定疾病・自治体助成も、受給者証の対象となる病気や看護に当てはまる場合に確認する制度です。

自立支援医療など、国の公費の条件と申請先を見る

住所地の医療費助成を見る

医療保険の高額療養費について確認する

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本人の希望を話し、訪問内容・費用・連絡先を決めて始める

  1. 精神科の主治医へ、家で困っている場面と、訪問で助けてほしいことを話す。退院前なら病院の担当者にも相談する。
  2. 対応するステーションを探し、職種、訪問する曜日・時間、連絡方法を確認する。
  3. 主治医の精神科訪問看護指示書をもとに、本人の希望に合う計画を作ってもらう。
  4. 料金、公費の手続、家族の同席、情報の共有先などの説明を受け、同意して開始する。
  5. 実際に役立っているか、疲れすぎないかを伝え、必要に応じて計画を見直す。

うまく説明しようとしなくても、「眠れない日が続く」「薬のことが不安」など、一つの場面から話せます。家に人を入れることへの不安や、家族には話したくない内容があることも相談して構いません。

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本人の意思と秘密を守り、調子が崩れたときの相談先を用意する

本人と家族の秘密を守ることは事業所の義務です。主治医や他の支援者へ何を伝えるか、家族にどこまで説明してほしいか、本人の希望を確認してもらいましょう。家族だけで療養方針を決めず、本人の意思を基本に医療・ケアの担当者と話し合います。

嫌な対応や疑問は管理者へ伝えられます。事業所へ話しにくければ、加入保険や市区町村の相談窓口に相談できます。虐待防止の取組が必要で、身体を縛るなどの行動制限は、生命・身体を守るため緊急やむを得ない場合を除き禁止されます。例外でも理由・時間等を記録します。

訪問のない日に調子が崩れたときの連絡先、夜間休日の対応、予定外の訪問の条件を決めておきます。感染症や災害で訪問が難しくなる場合に備え、薬・連絡方法・避難先を主治医や地域の担当者とも確認します。事業所には継続・再開の計画と訓練、事故への対応などの義務があります。

被災して支払いが難しくなった場合には、加入保険等へ減免や猶予を相談できます。災害・地域・保険者・期間によって対象が異なり、災害時の費用が一律に無料になるものではありません。

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出典・掲載範囲

2026年6月施行の訪問看護療養費・運営基準に基づく、ステーションの精神科訪問看護の説明です。費用例は2027年5月までの物価対応料を用い、本文に示す月8日の条件によります。試算は基本療養費Ⅰ・1事業所・1日1回の対応範囲で行い、自立支援医療などの公費、同日複数回・複数名・長時間・緊急訪問等の加算や、他院等との合算・交通費等は含みません。公費の例は制度の使い方の説明で、個人の認定結果ではありません。

利用する前のQ&A

精神科訪問看護の試算には、自立支援医療も反映されていますか?

対象:精神科訪問看護

掲載内容:2026年6月1日施行の診療報酬改定に基づく内容

当サイトの精神科訪問看護の試算は、自立支援医療などの公費を反映しません。受給者証の条件や指定された利用先、自己負担上限等は、事業所と自治体へ確認します。

計算は1事業所・1日1回の基本療養費Ⅰと固定区分の管理療養費等が対象です。同一建物、複数名、同じ日の複数回訪問なども含まないため、結果を最終的な請求額とは扱いません。

根拠・参考:精神科訪問看護:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載)

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