第3 精神科訪問看護基本療養費について
1 精神科訪問看護基本療養費を算定する場合には、次のいずれかに該当する精神疾患を有す
る者に対する看護について相当の経験を有する保健師、看護師、准看護師又は作業療法士(
以下「保健師等」という。)が指定訪問看護を行うこと。
(1) 精神科を標榜する保険医療機関において、精神病棟又は精神科外来に勤務した経験を
1年以上有する者
(2) 精神疾患を有する者に対する訪問看護の経験を1年以上有する者
(3) 精神保健福祉センター又は保健所等における精神保健に関する業務の経験を1年以上
有する者
(4) 国、都道府県又は医療関係団体等が主催する精神科訪問看護に関する研修を修了して
いる者
2(1) 精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)は、指定訪問看護を受けようとする精神疾患を有する
者又はその家族等(精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)を算定するものを除く。)に対し
て、それらの者の主治医(精神科を標榜する保険医療機関において精神科を担当する医
師に限る。第3において同じ。)から交付を受けた精神科訪問看護指示書及び精神科訪
問看護計画書に基づき、訪問看護ステーションの保健師等が指定訪問看護を行った場合
に所定額を算定する。なお、指定訪問看護は訪問看護計画に基づき行われるため、精神
科訪問看護計画についても、相当の経験を有する保健師等(准看護師を除く。)が作成
するものである。
(2) (1)の場合において、利用者1人につき、精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)及び訪問看
護基本療養費(Ⅰ)(ハを除く。)及び(Ⅱ)(ハを除く。)を算定する日と合わせて週3
日(当該利用者の退院日から起算して3月以内(ただし退院日は含まない。)の期間に
おいて行われる場合は週5日)を限度とする。また、当該利用者が退院後3月となる週
においては、当該週のうち退院後3月の期間中に算定した日を除き週3日を限度として
算定する。
3(1) 精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)は、指定訪問看護を受けようとする精神疾患を有する
者又はその家族等であって同一建物居住者に対して、それらのものの主治医から交付を
受けた精神科訪問看護指示書及び精神科訪問看護計画書に基づき、訪問看護ステーショ
ンの保健師等が指定訪問看護を行った場合に、同一建物居住者の人数並びに精神科訪問
看護基本療養費(Ⅲ)、訪問看護基本療養費(Ⅱ)(ハを除く。)及び包括型訪問看護療養
費の合計算定日数により「月 20 日目まで」と「月 21 日目以降」の区分に従い、所定額
を算定する。なお、同一建物居住者に係る人数については、同一日に訪問看護基本療養
費を算定する利用者数、精神科訪問看護基本療養費を算定する利用者数及び包括型訪問
看護療養費を算定する利用者数を合算した人数とすること。
(2) (1)の場合において、利用者1人につき、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)及び訪問看
護基本療養費(Ⅰ)(ハを除く。)及び(Ⅱ)(ハを除く。)を算定する日と合わせて週3
日(当該利用者の退院日から起算して3月以内(ただし退院日は含まない。)の期間に
おいて行われる場合は週5日)を限度とする。また、当該利用者が退院後3月となる週
においては、当該週のうち退院後3月の期間中に算定した日を除き週3日を限度として
算定する。
(3) 同一建物居住者とは、第2の2の(2)に規定するものと同様である。
4 精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)及び(Ⅲ)については、1回の指定訪問看護の実施時間に基
づき、30 分未満の場合又は 30 分以上の場合の時間区分のいずれか一方を算定する。30 分未
満の訪問については、当該利用者に短時間訪問の必要性があると医師が認め、精神科訪問看
護指示書に明記されている場合にのみ算定する。
5 精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)又は(Ⅲ)を算定する場合にあっては、訪問看護記録書、訪
問看護報告書及び訪問看護療養費明細書に、月の初日の指定訪問看護時におけるGAF尺度
により判定した値を記載する。
6(1) 精神科訪問看護基本療養費(Ⅳ)は、入院中に退院後の指定訪問看護を受けようとする
者(基準告示第2の2に規定する者に限る。)が、在宅療養に備えて一時的に外泊をす
る際、訪問看護ステーションの保健師等が指定訪問看護を行った場合に、入院中1回に
限り算定できる。ただし、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者で、外泊が必要
と認められた者に関しては、入院中2回まで算定可能とする。この場合の外泊とは、1
泊2日以上の外泊をいう。
(2) 当該所定額を算定する場合にあっては、同一日に訪問看護管理療養費は算定できな
い。
7 指定訪問看護を受けようとする者であって注4に規定する精神科特別訪問看護指示書が交
付された者に対する指定訪問看護については、当該精神科特別訪問看護指示書の交付の日か
ら起算して 14 日以内に行った場合は、月1回に限り、14 日を限度として所定額を算定でき
る。
なお、精神科特別訪問看護指示書の交付の日の属する週及び当該交付のあった日から起算
して 14 日目の日の属する週においては、当該週のうち精神科特別訪問看護指示書の期間中に
算定した日を除き週3日を限度として算定すること。また、精神科特別訪問看護指示書が交
付された利用者に対する指定訪問看護については、当該利用者の病状等を十分把握し、一時
的に頻回に指定訪問看護が必要な理由を記録書に記載し、訪問看護計画書の作成及び指定訪
問看護の実施等において、主治医と連携を密にすること。
8(1) 注5に規定する特別地域訪問看護加算は、次のいずれかに該当する指定訪問看護を行
った場合に精神科訪問看護基本療養費の所定額(注に規定する加算は含まない。)の 10
0分の 50 に相当する額を加算する。
ア 特別地域訪問看護加算のイの場合とは、当該訪問看護ステーションの所在地から利
用者の家庭までの訪問につき、最も合理的な通常の経路及び方法で片道1時間以上要
する利用者に対して、特別地域に所在する訪問看護ステーションの保健師等が、指定
訪問看護を行った場合又は特別地域外に所在する訪問看護ステーションの保健師等
が、特別地域に居住する利用者に対して指定訪問看護を行った場合である。なお、交
通事情等の特別の事情により訪問に要した時間が片道1時間以上となった場合は該当
しない。
イ 特別地域訪問看護加算のロの場合とは、訪問看護ステーションの所在地から利用者
の家庭までの訪問につき、最も合理的な通常の経路及び方法で片道 30 分以上要する利
用者に対して、特別地域に所在する訪問看護ステーションの保健師等が特別地域に居
住する利用者に対して指定訪問看護を行った場合で、かつ、指定訪問看護のため保健
師等が当該訪問看護ステーションの所在地から利用者の家庭までの往復及び指定訪問
看護を実施した時間の合計が2時間 30 分以上であった場合である。なお、交通事情等
の特別の事情により訪問に要した時間が片道 30 分以上となった場合は該当しない。
(2) 特別地域訪問看護加算を算定する訪問看護ステーションは、その所在地又は利用者の
家庭の所在地が特別地域に該当するか否かについては、地方厚生(支)局に確認するこ
と。
9(1) 注6に規定する精神科緊急訪問看護加算は、訪問看護計画に基づき定期的に行う指定
訪問看護以外であって、利用者又はその家族等の緊急の求めに応じて、主治医(診療所
又は在宅療養支援病院の保険医に限る。9において同じ。)の指示により、連携する訪
問看護ステーションの保健師等が訪問看護を行った場合に1日につき1回に限り算定す
る。なお、主治医の属する診療所が、他の保険医療機関等と連携して 24 時間の往診体制
及び連絡体制を構築し、当該利用者に対して在宅療養移行加算1を算定している場合、
主治医が対応していない夜間等においては、連携先の保険医療機関の医師の指示により
緊急に指定訪問看護を行った場合においても算定できる。
(2) (1)の場合であって、複数の訪問看護ステーションから現に指定訪問看護を受けてい
る利用者に対し、当該複数の訪問看護ステーションのいずれかが計画に基づく指定訪問
看護を行った日に、当該複数の訪問看護ステーションのうちその他の訪問看護ステーシ
ョンが緊急の指定訪問看護を行った場合は、緊急の指定訪問看護を行った訪問看護ステ
ーションは精神科緊急訪問看護加算のみ算定すること。ただし、当該緊急の指定訪問看
護を行った訪問看護ステーションが 24 時間対応体制加算を届け出ていない場合又は当該
利用者に対して過去1月以内に指定訪問看護を実施していない場合は算定できない。
(3) 当該加算は、診療所又は在宅療養支援病院が、24 時間往診及び指定訪問看護により対
応できる体制を確保し、診療所又は在宅療養支援病院において、24 時間連絡を受ける連
絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及
び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している利用者に限り算定でき
る。なお、指示を行った診療所又は在宅療養支援病院の主治医は、指示内容を診療録に
記載すること。
(4) 当該加算に関し、利用者又はその家族等からの電話等による緊急の求めに応じて、主
治医の指示により、緊急に指定訪問看護を実施したその日時、内容及び対応状況を訪問
看護記録書に記録すること。
(5) 緊急の指定訪問看護を行った場合は、速やかに主治医に利用者の病状等を報告すると
ともに、必要な場合は精神科特別訪問看護指示書の交付を受け、訪問看護計画について
見直しを行うこと。
(6) 当該加算を算定する場合にあっては、訪問看護療養費明細書に算定する理由を記載す
ること。
10(1) 注7に規定する長時間精神科訪問看護加算は、基準告示第2の3の(1)に規定する
長時間の訪問を要する者に対して、1回の指定訪問看護の時間が 90 分を超えた場合につ
いて算定するものであり、週1回(基準告示第2の3の(2)に規定する者にあっては
週3回)に限り算定できるものとする。
(2) 長時間精神科訪問看護加算を算定した日以外の日に、指定訪問看護に要する平均的な
時間を超える訪問看護を行った場合は、厚生労働大臣が定める指定訪問看護第1に規定
する指定訪問看護に該当し、指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準第 13条第
1項に規定する利用料を受け取ることができること。
11(1) 注8に規定する複数名精神科訪問看護加算は、同時に保健師又は看護師と保健師等、
看護補助者又は精神保健福祉士との同行による指定訪問看護を実施した場合(30 分未満
の場合を除く。)、1日につき注8のイ、ロ又はハのいずれかを算定する。指定訪問看
護を行う保健師又は看護師に保健師、看護師、作業療法士が同行する場合はイを、准看
護師が同行する場合はロを、1日当たりの回数に応じて算定する。また、看護補助者又
は精神保健福祉士が同行する場合はハを算定する。ただし、看護補助者又は精神保健福
祉士が同行する場合には、週1日に限り算定する。
(2) 精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)を算定する場合にあっては、同一建物居住者で同一日
に、当該加算、複数名訪問看護加算又は包括型訪問看護療養費を算定する利用者の合計
人数及び1日当たりの実施回数に応じて算定する。
(3) 同時に複数の保健師等による指定訪問看護を行うことについて、利用者又はその家族
等の同意を得る。
(4) 当該加算は、医師が複数名訪問の必要性があると認め、精神科訪問看護指示書にその
旨の記載がある場合に算定する。
(5) 単に2人の保健師等、看護補助者又は精神保健福祉士が同時に指定訪問看護を行った
ことのみをもって複数名精神科訪問看護加算を算定することはできない。
(6) 同時に複数の保健師等による指定訪問看護を行う場合は、1人以上は保健師又は看護
師である場合に算定できる。
(7) 保健師又は看護師と同行する看護補助者は、常に同行の必要はないが、必ず利用者の
居宅において両者が同時に滞在する一定の時間が確保された場合に算定できる。
12(1) 注9に規定する夜間・早朝訪問看護加算は、夜間又は早朝に指定訪問看護を行った場
合に、注 10 に規定する深夜訪問看護加算は深夜に指定訪問看護を行った場合に、それぞ
れ算定する。
(2) (1)の場合については、利用者の求めに応じて、当該時間に指定訪問看護を行った場
合にのみ算定できるものであり、訪問看護ステーションの都合により、当該時間に指定
訪問看護を行った場合には算定できない。
(3) (1)の夜間・早朝訪問看護加算又は深夜訪問看護加算は精神科緊急訪問看護加算と
併算定が可能である。
(4) (1)の夜間・早朝訪問看護加算について、精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)を算定す
る場合にあっては、同一建物居住者で同一日に、当該加算、訪問看護基本療養費の注 13
に規定する夜間・早朝訪問看護加算又は包括型訪問看護療養費を同一日に算定する利用
者の合計人数及び当該加算、訪問看護基本療養費の注 13 に規定する夜間・早朝訪問看護
加算又は包括型訪問看護療養の合計算定日数により「月 15 日目まで」と「月 16 日目以
降」の区分に応じて算定する。
(5) (1)の深夜訪問看護加算について、精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)を算定する場合
にあっては、同一建物居住者で同一日に、当該加算、訪問看護基本療養費の注 14 に規定
する深夜訪問看護加算又は包括型訪問看護療養費を算定する利用者の合計人数及び当該
加算、訪問看護基本療養費の注 14 に規定する深夜訪問看護加算又は包括型訪問看護療養
の合計算定日数により「月 15 日目まで」と「月 16 日目以降」の区分に応じて算定す
る。
13(1) 注 11 に規定する精神科複数回訪問加算は、医科点数表の区分番号I016に掲げる精
神科在宅患者支援管理料を算定し、主治医が複数回の訪問看護が必要であると認めた利
用者に対して、1日に2回又は3回以上の訪問看護を行った場合、精神科訪問看護基本
療養費に加算する。
(2) 精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)を算定する場合にあっては、同一建物居住者で当該加
算、難病等複数回訪問加算又は包括型訪問看護療養費を算定する利用者の合計人数及び
1日当たりの指定訪問看護の実施回数に応じて算定する。また、1日に3回以上の指定
訪問看護を実施する場合で同一建物居住者の合計人数が3人以上の場合における、「月
20 日目まで」と「月 21 日目以降」の区分については、算定する日における月の初日以
降に当該加算、難病等複数回訪問加算又は包括型訪問看護療養費のいずれかを算定した
日数に応じて、該当する区分を算定する。
(3) 精神科在宅患者支援管理料1又は3を算定する保険医療機関と連携する訪問看護ステ
ーションのそれぞれが、同一日に2回又は3回以上の訪問看護を行った場合は、当該訪
問看護ステーションは訪問看護療養費に係る精神科複数回訪問加算を算定せず、当該保
険医療機関が医科点数表の区分番号I012に掲げる精神科訪問看護・指導料の注 11に
規定する精神科複数回訪問加算を算定する。
(4) 精神科在宅患者支援管理料2を算定する保険医療機関と連携する訪問看護ステーショ
ンのそれぞれが、同一日に2回又は3回以上の訪問看護を行った場合、当該訪問看護ス
テーションが訪問看護療養費に係る精神科複数回訪問加算を算定し、当該保険医療機関
は精神科訪問看護・指導料の注 11 に規定する精神科複数回訪問加算を算定できない。
14 利用者が次のいずれかに該当する場合は、所定額は算定しない。ただし、基準告示第4の
2に定める場合については、この限りでない。
(1) 病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院等の医師又は看護師若しくは准看護師
が配置されている施設に入院中又は入所中の場合
(2) 介護保険法第8条第 11 項に規定する特定施設入居者生活介護又は同条第 20 項に規定
する認知症対応型共同生活介護の提供を受けている場合
(3) すでに他の訪問看護ステーションからの指定訪問看護を利用している場合(下記のア
からウまでの場合を除く。)
ア 基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者がすでに他の1つの訪問看護ステーシ
ョンから指定訪問看護を受けている場合
イ 精神科特別訪問看護指示書の交付の対象となった利用者であって週4日以上の指定
訪問看護が計画されているものがすでに他の1つの訪問看護ステーションから指定訪
問看護を受けている場合
ウ 基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者であって週7日の指定訪問看護が計画
されているものがすでに他の2つ以下の訪問看護ステーションから指定訪問看護を受
けている場合
(4) 包括型訪問看護療養費を算定すると届け出た建物に居住している場合(包括型訪問看
護療養費を算定すると届出を行った訪問看護ステーションから指定訪問看護を受けてい
る場合等を除く。)