Carecalculate社会保障制度と費用を知る

訪問診療(在宅医療)の制度と支援内容

掲載内容:2026年6月1日施行の診療報酬改定に基づく内容

まず知っておきたいこと

どんなときに使う?
通院が難しい人の家へ医師が計画的に訪れ、診療を続けます。急に具合が悪くなったときの往診とは区別します。
費用が変わるのは?
訪問の回数、月単位の管理、病状、同じ建物の患者数などで変わります。検査や薬などの費用も確認します。
次はどこへ相談する?
主治医や病院の相談員に通院の難しさを伝え、定期訪問と急な不調時の連絡方法を相談してください。

詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。

病院へ通うのが難しい人と家族へ。家で受ける診療や薬の管理、往診との違い、始め方を解説。2026年6月の報酬による月2回の診察料・管理料の例と、末期がんの包括料金、公費の助成を紹介します。管理料の試算にも進めます。

通院が難しくなっても、家で診察と治療を続ける

病気やけがで病院へ通うことが難しい人に、医師が予定を立てて訪問し、診察や治療を続けるのが訪問診療です。その日の体調だけでなく、薬、家で続ける処置、次に具合が悪くなったときの対応まで相談します。

例えば、退院して家で過ごしたいけれど、移動が大きな負担になるときが相談のきっかけになります。訪問看護や薬局、介護の担当者とも連携して、本人がどのような生活を続けたいかを考えます。家でできる診療と、病院で受ける必要がある検査・治療を主治医と分けておきます。

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年齢や要介護度だけで決まらない。通院の難しさを相談する

相談するときに伝えること
確認する点伝える内容
通院の状況移動や乗り降り、待ち時間でどんな負担があるか。継続した診療が必要か。
住まい自宅か施設か、施設の種類、医師の配置があるか。
今の治療主治医、薬、処置、ほかの医療機関の利用。
訪問先の住所原則16km以内という算定上の扱いがある。特殊な事情がある場合は個別に確認。

高齢者だけの制度ではなく、介護認定がなくても相談できます。ただし「病院に行くより便利だから」という希望だけでは、保険の訪問診療の条件にはなりません。病状や移動の状態から医師が必要性を判断し、本人の同意を得て計画します。

施設で暮らす場合は、施設に配置された医師の役割や、医療保険と介護保険の調整が関わります。自宅と同じ条件・料金とは限らないため、施設と訪問する医療機関の双方に確認します。

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診察、薬、家での処置を一つの療養計画にする

家で受ける診療・支援の例
内容本人や家族から話したいこと
診察と治療の見直し前回からの症状、食事や眠りの変化、生活で困ること。
薬の管理飲み残し、副作用の心配、飲みにくさ。医師が処方の調整を考える。
家で続ける治療酸素、人工呼吸器、自己注射、栄養のチューブ、点滴や導尿などの方法と注意点。
ほかの支援者との連携看護師・薬剤師・ケアマネジャーに伝えておきたい変化や希望。

これらは必要に応じて行う例です。医師が治療方針を決め、訪問看護などが日々の状態や処置を支えるように役割を分けます。自宅での治療の指導は、外来へ通いながら受ける場合もあります。訪問診療を利用すれば、全ての機器や処置が一つの料金で付くわけではありません。

家での処置や生活を支える訪問看護を見る

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予定して来てもらう「訪問診療」と、臨時に頼む「往診」

同じ「医師が家に来る」でも違うこと
区分来てもらうきっかけ
訪問診療本人の同意を得た計画に沿って、定期的に診察する。
往診本人や家族の求めを受け、医師が必要と判断して臨時に訪問する。

一般の訪問診療料Ⅰの1は原則週3回までで、所定の病気や一時的な病状悪化には例外があります。回数は料金の都合だけで選ばず、病状に合う計画を医師と相談します。初診の日や往診の当日・翌日には、重ねて請求できない費用や例外があります。

夜間や休日に具合が悪くなった場合、どこへ電話し、誰が対応するかを開始前に確認します。「訪問診療の契約がある」ことと「いつでも同じ医師がすぐ来られる」ことは同じではありません。

訪問診療・往診と管理料の算定条件を見る

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月2回の例:診察料と管理料の小計は、1割で約5,470円

2026年6月施行の点数では、1点を10円に換算し、そのうち通常1~3割を本人が負担します。「医師が来た日の診察料」と「月を通した療養計画・連携の管理料」が別にあるため、訪問1回の値段だけでは月額がわかりません。

次は、機能強化型以外の在宅療養支援診療所・病院から、一般の自宅へ月2回訪問する例です。同じ建物で管理する患者は1人、所定の重症状態には該当せず、院外処方とします。初診月や施設への訪問の例ではありません。

月2回の診察料と管理料だけを足すと
項目保険と本人の負担を分ける前の額
訪問診療料Ⅰの1イ890点×2回×10円=17,800円
在宅時医学総合管理料(在医総管)3,685点×10円=36,850円
この2項目の小計54,650円
通常の本人負担の目安1割:約5,470円/2割:約10,930円/3割:約16,400円

この小計には、各種加算、別に請求する検査・処置、薬局の調剤や薬、交通費などを入れていません。高額療養費や公費による軽減前の額です。月1回なら、この条件の管理料は2,285点ですが、診察料やほかの費用も変わります。

このサイトの計算画面では、上の条件による在医総管の小計を試算できます。上表の54,650円全体を出す計算ではなく、月2回の管理料部分は36,850円、1割の目安は約3,690円です。

対応条件を確認して、月の管理料の小計を試算する

管理料に含まれる処置もあります。例えば所定の傷の処置や痰の吸引などを全て別料金として足すことはできません。院内の投薬と院外薬局の費用も扱いが違います。見積りや明細では「含まれるもの」「別に払うもの」を分けて説明してもらいましょう。

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末期がんの在宅療養では、診療と看護をまとめる料金もある

末期がんで通院が難しい人には、訪問診療と訪問看護などをまとめた「在宅がん医療総合診療料(在がん医総)」を使う場合があります。がんという病名だけで決まらず、届出のある在宅療養支援診療所・病院が、24時間の対応や計画などの条件を満たす必要があります。

日曜から土曜までの1週間で確認する条件
条件数え方
診療または看護が週4日以上同じ日に両方来ても1日と数える。
医師の訪問診療が週1回以上看護だけの訪問では足りない。
訪問看護が週1回以上医師だけの訪問では足りない。

例えば月曜に診療と看護、火・木・土曜に看護なら、訪問した日は4日です。これは料金条件の数え方の例で、本人に必要な診療計画を指定するものではありません。条件を満たさない週や入院が混在する週は原則対象外で、継続中の患者が担当医療機関へ一時入院する場合には別の扱いがあります。

機能強化型以外・院外処方の区分は1日1,495点です。週の条件を満たし、日曜~土曜の7日全てが対象なら、1,495点×7日×10円=104,650円、通常1割なら約10,470円です。訪問した4日だけを掛けるのではありません。開始・終了の週は条件を満たしたうえで対象の日数を数えます。

この料金には診療・看護などが広く含まれ、通常の訪問看護料や在医総管をそのまま重ねません。条件に合う緊急往診、看取り等の加算などは例外として別に扱います。院外薬局や交通費等も確認が必要です。連携する看護・医療機関分を誰がまとめて請求するか、開始前に説明を受けます。

在がん医総の条件・包括範囲を算定解説で確認する

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助成の受給者証があれば、対象の病気と診療を確認する

保険診療の自己負担が高くなる場合には高額療養費、対象となる病気や条件に合う場合には指定難病・小児慢性特定疾病の公費、生活保護の医療扶助、自治体の医療費助成などを確認します。受給者証の対象疾病、有効期間、指定された医療機関、所得や月の上限が判断に関わります。

例えば、指定難病の受給者証があっても、認定された病気やそれに伴う傷病と無関係の診療まで一律に軽減されるわけではありません。自立支援医療(精神通院)も、精神障害等に関わる対象医療についての制度です。交通費など保険外の費用も区別します。

高額療養費の対象と上限の考え方を見る

国の公費の対象・申請先を見る

住んでいる地域の医療費助成を見る

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主治医・退院支援の担当者に、家での暮らしの希望を伝える

  1. 通院が難しい事情、家で過ごしたい希望、続ける必要がある治療を今の主治医へ話す。入院中なら退院支援の担当者へ相談する。
  2. 住所と必要な診療に対応する医療機関を探し、病歴・薬・検査結果を引き継ぐ。
  3. 診察の頻度、看護等との役割分担、本人・家族が家で行うことを確認する。
  4. 費用の見込み、夜間休日の連絡先、急変時の受診・入院先の説明を受ける。
  5. 本人の同意のもとで療養計画に沿って開始し、困りごとや希望が変われば見直す。

「家で過ごしたいけれど、家族だけで支えられるか不安」という相談でも構いません。誰に何を頼めるかを整理してもらい、説明でわからない言葉は言い換えてもらいましょう。

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本人の希望、情報の共有先、災害時の備えを話しておく

療養場所や治療の希望は、本人の意思を基本に話し合います。家族だけで決めず、何を大切にしたいか、どこまでの治療を望むかを医療・ケアの担当者へ伝えます。気持ちは変わることもあるので、一度話して終わりにせず見直せます。

病状や薬の情報を訪問看護、薬局、介護職と共有するときは、目的と相手を確認します。家族に話してほしくないことも相談できます。ひどい扱いを受ける、介護する人が限界に近いなどの心配は医師にも伝えてください。本人の安全や家族の負担に応じ、市区町村等の支援につなぎます。

災害に備えて、連絡先、薬・医療材料の確保、機器の停電対策、避難先を相談します。自治体の個別避難計画と医療機関の対応体制は別なので、地域の担当者ともつないでもらいます。被災時の窓口負担の免除・猶予は、災害・対象者・期間等の条件があるため加入保険等へ確認します。

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出典・掲載範囲

2026年6月施行の診療報酬に基づく説明です。月2回の例は本文の条件による診察料と在医総管の小計で、各種加算・別算定の検査や処置・院外薬局・交通費等と公費の軽減を含みません。計算画面は、固定した医療機関・住まい等の条件による在医総管の小計、又は在がん医総の対応範囲を扱います。施設、往診、初診、小児の加算、他院や世帯との合算等を反映した最終支出の計算ではありません。

利用する前のQ&A

訪問診療の「管理料」の試算が、その月の医療費全部ですか?

対象:訪問診療(在宅医療)

掲載内容:2026年6月1日施行の診療報酬改定に基づく内容

在医総管の試算は管理料の小計です。訪問診療料、検査、薬剤などを含む月の総医療費ではありません。

在がん医総は包括範囲や算定単位が異なるため、在医総管と同じ足し算にはしません。医療機関に、選んだ管理料の種類、含まれる医療、別に必要な費用を分けて説明してもらいましょう。

根拠・参考:訪問診療(在宅医療):算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載)

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