Carecalculate社会保障制度と費用を知る

宿泊型自立訓練の制度と支援内容

掲載内容:2026年度の障害福祉制度の概要

まず知っておきたいこと

どんなときに使う?
一定期間住まいで生活しながら、帰宅後の家事など、地域で暮らすための力を身につけます。
費用が変わるのは?
利用する区分や期間、支援体制で変わります。日中活動の料金と家賃・食費は別に確認します。
次はどこへ相談する?
市区町村や相談支援の担当者に、退所後に希望する住まいと、練習が必要なことを相談してください。

詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。

宿泊型自立訓練での一日の暮らし、日中の仕事・通所との組合せ、部屋や夜間の支援を解説。標準2年と3年になる条件、食費・居室費などの支出、本人の希望や終了後の住まいについて確認できます。

住む場所で練習し、次の暮らしへ移る準備をする

宿泊型自立訓練は、一定期間住む場所を使いながら、食事や洗濯、身支度などの生活を練習する障害福祉サービスです。日中は仕事や通所先へ出かけ、戻ってから翌朝までの生活にも支援を受けます。生活訓練の一つの形です。

「家族のもとを離れて暮らしたいが、生活を全部自分で組み立てるのは不安」というとき、必要な助けを確かめながら次の住まいを考えます。泊まる場所を借りるだけの制度ではなく、本人の目標に沿って練習し、終了後の生活へつなぐことが目的です。

この説明と表の根拠を確認する

昼の仕事・通所と、帰宅後の訓練を組み合わせる

日中の就労や障害福祉サービスは、宿泊型の訓練と組み合わせて利用します。同じ敷地の事業所でも別の場所でも、昼間のサービスと宿泊型の費用は別に算定できます。宿泊型の料金に日中の活動がすべて含まれるわけではありません。

帰宅後は家事や健康管理、生活の相談などを行います。職員が代わりに行う部分、一緒に行う部分、本人が試す部分を分け、無理なく続けられる方法を見つけます。練習することは本人の希望と必要性に合わせ、個別の計画で決めます。

通所・訪問で行う生活訓練を見る

この説明と表の根拠を確認する

朝から夜までの一日を想像してみる

次は暮らしを想像するための例です。全国共通の時間割や、すべての事業所で行う決まったプログラムではありません。

練習しながら暮らす一日の例
時間帯自分で試すこと・相談すること
朝起きる時間を決め、朝食や身支度をする。準備の順番を確認し、必要な声かけを相談する。
日中仕事や通所先で過ごす。休む日の連絡や過ごし方もあらかじめ決める。
夕方戻ってから買物・食事・洗濯などを練習する。一度に全部を目標にしなくてもよい。
夜翌日の予定と困ったことを振り返って休む。夜中に困ったときの連絡方法を確認する。

見学では「食事や外出の時間をどのくらい自分で決められるか」「苦手なことはどんな助けを受けられるか」を聞きましょう。生活の練習と、自分の部屋で落ち着いて過ごす時間の両方が大切です。

この説明と表の根拠を確認する

日中の活動があり、住みながら生活の練習が必要な人

生活訓練の対象者のうち、日中は一般就労や障害福祉サービス等を利用し、地域で暮らすために、一定期間の住まいと帰宅後の訓練が必要な人が対象です。例えば学校を卒業して就職した人や、施設・日中の生活訓練で練習を重ねてきた人などが想定されています。

家族の休息や一時的に介護を受ける場所が必要なら短期入所、共同の住まいで継続して生活支援を受けたいならグループホームなど、目的の異なる選択肢もあります。夜の介助や医療的な対応が必要な場合は、対象条件だけでなく、候補の事業所がその支援に対応できるかも確認します。

一時的な泊まりの支援・短期入所を見る

グループホームで受ける生活支援を見る

この説明と表の根拠を確認する

標準は2年。終了後の住まいを早めに相談する

標準利用期間は2年間です。長期間の入院・施設入所などの場合は3年間で、長いひきこもり等により社会生活の経験が乏しい人や、発達障害があり2年では十分な成果が得られないと認められる人等も、この取扱いに含まれます。

市区町村は利用開始から1年ごとに継続の必要性を確認して支給決定を更新します。標準期間を超える更新には、市区町村審査会の意見を聴く手続があります。希望すれば無期限に住める制度ではないため、残りの期間と次の住まいの見通しを共有しましょう。

事業所の個別計画は少なくとも3か月ごとに見直します。次の住まい、昼間の活動、相談先、必要な家事や介助の支援を一緒に考えます。住まいを移った後も、一定期間は定期的な連絡や相談を行うこととされています。

この説明と表の根拠を確認する

基本は1人部屋・7.43㎡以上。古い施設には例外がある

国の基本基準では、居室は1人部屋で、収納部分などを除いて7.43㎡以上です。浴室や、利用者の特性に合う洗面所・トイレ、相談室、多目的室等も備えます。宿泊型だけを行う事業所は、訓練・作業室を設けないことができます。

制度開始前からある一定の施設には、2人以下又は4人以下の部屋や、1人当たり4.4㎡・6.6㎡等とする経過措置があります。すべてが同じ個室ではないため、実際の部屋と契約内容を確認します。持ち込める物、鍵や私物の管理、洗濯・入浴の場所や時間、他の人との距離感も見学で確かめましょう。

この説明と表の根拠を確認する

生活支援員と地域移行支援員が、暮らしと退居の準備を支える

宿泊型の基本的な人員
担当基準と役割
生活支援員宿泊型の利用者10人につき、勤務時間を常勤の人数に換算して1人以上。うち1人以上は常勤。
地域移行支援員1人以上。地域での暮らしへ移る準備を支える。
サービス管理責任者利用者60人以下は1人以上。60人を超えた人数40人ごとに1人追加(端数を含む)。計画をまとめる。

利用者数は前年度の平均を使い、新しい事業所は見込みで数えます。宿泊型以外の生活訓練も行う場合は、その利用者6人につき1人以上の分を合計します。サービス管理責任者は原則1人以上常勤ですが、宿泊型で支援に支障がなければ例外があります。看護職は一律の必置ではありません。

上の比率は、夜中にその人数の職員がいることを示しません。夜勤で必要な介護等を行う体制、宿直で巡回や緊急対応を行う体制など、夜間の支援は事業所によって異なり、加算の条件も違います。「夜に職員はどこにいるか」「困ったらどう呼ぶか」「医療が必要になったときはどうするか」を具体的に聞きましょう。

この説明と表の根拠を確認する

訓練の利用料と、食費・光熱水費・居室の費用を分ける

生活訓練サービス費Ⅲ・2年以内を30日使う例
計算単位・金額
基本部分281単位×30日=8,430単位。
処遇改善加算Ⅱイ16%1,349単位を加え、合計9,779単位。
1単位10円と仮定給付対象費用97,790円。原則1割は9,779円。

これは訓練の基本部分と固定の加算の例で、夜間支援等のほかの加算・減算、月額上限、昼間のサービス、食費等は含みません。所得に応じた利用者負担の月額上限は受給者証で確認します。当サイトの試算はサービス費Ⅲの2年以内・2年超に対応し、3年を標準とする対象者等のサービス費Ⅳには対応していません。

実際の支出には、食費・光熱水費・日用品費や、一定の条件で居室提供の費用も加わります。国や自治体の補助等で建てた居室には、居室費を受け取れる範囲の制限があります。見学時に費目ごとの見積りをもらい、毎月の総額、入院・外泊の日の費用、退居時に必要なお金を確認します。

サービス費Ⅲの条件と日数から宿泊型の負担を計算する

宿泊型のⅢ・Ⅳと夜間支援などの算定条件を見る

この説明と表の根拠を確認する

日中の活動と次の住まいも含めて、利用計画を立てる

  1. 市区町村や相談支援事業所に、今の暮らしと、帰宅後に難しいことを相談する。
  2. 候補の住まいを見学し、部屋・生活の決まり・夜の職員・費用・日中の通勤や通所を確認する。
  3. 訓練の目標と期間、次の住まいの希望を計画にし、支給決定・受給者証・契約を確認する。
  4. 服薬や食事、落ち着く方法などを引き継ぎ、生活を始める。定期的に振り返り、退居後の支援へつなぐ。

次の住まいがまだ決まっていなくても、その不安を相談できます。事業所でできたことが新しい家でも続けられるよう、必要な道具、声かけ、相談相手を確認していきます。

この説明と表の根拠を確認する

自分の部屋と暮らしを尊重され、外の窓口にも相談できる

食事や外出の決まりは、本人が分かる方法で説明してもらいます。個別の計画は本人の同意を得て作り、支援者の都合だけで生活の目標を決めないことが大切です。身体拘束は緊急やむを得ない場合を除き禁止され、例外でも記録が必要です。

日中の事業所や次の住まいへ情報を渡す際には、事前の文書同意が必要です。伝える相手や内容を確認します。共同の生活で困ること、職員に言いにくいことは、事業所の相談担当だけでなく市区町村等の外部窓口にも相談できます。

この説明と表の根拠を確認する

夜の急変、休みの日、災害時の連絡方法を確認する

事業所は、体調が急に変わった際の医療との連絡、事故の記録と家族・市区町村への連絡、感染症や災害に備えた計画や訓練を行います。泊まる場所なので、夜間に具合が悪くなったときや避難が必要なときに、本人が助けを呼べることが大切です。

日中の仕事や通所を休む場合に、住まいでどのような支援を受けられるかも確認しておきます。日中の見守りや医療対応がいつでも一律に含まれるとは限りません。本人に必要な支援が昼夜の切替えで途切れないよう、担当者同士で連絡方法を決めます。

この説明と表の根拠を確認する

出典・掲載範囲

2026年6月の障害福祉サービス報酬と現行の運営基準・支給決定通知に基づきます。料金例は宿泊型のサービス費Ⅲ・2年以内・30日・1単位10円、処遇改善加算Ⅱイの条件です。Ⅳ、ほかの加減算・負担上限・日中サービス・食費等は含みません。利用期間の更新は市区町村、居室の経過措置・費用・夜間体制は事業所で確認します。

利用する前のQ&A

宿泊型自立訓練を使いながら、今の日中の事業所に通えますか?

対象:宿泊型自立訓練

掲載内容:2026年7月版の支給決定事務処理要領と指定障害福祉サービスの運営基準に基づく宿泊型自立訓練の案内

日中の事業所と組み合わせて利用することは、制度で想定されています。宿泊型自立訓練は、日中に仕事や障害福祉サービスを利用する人などが、住む場所で家事や生活の練習をして、次の暮らしへ移るための支援です。

ただし、今の通所先をそのまま続けられるかは、別に確認が必要です。市区町村や相談支援専門員、宿泊先・日中の事業所へ、今の利用日と続けたい希望を伝え、支給決定(利用できるサービスや日数の決定)と利用計画を確認しましょう。

見学では「○曜日に今の事業所へ通い続けたい。通う方法や、休む日の連絡はどうしますか」と聞くと具体的に相談できます。宿泊先が決まれば、日中の利用枠や送迎も自動的に確保されるわけではありません。

根拠・参考:厚生労働省:障害福祉サービスの内容(12 宿泊型自立訓練:支援内容・対象者。) 厚生労働省:支給決定の事務処理要領(2026年7月版)(109ページ:日中の仕事・障害福祉サービスと宿泊による訓練の組合せ。個々の通所枠・送迎の保証ではない。) 厚生労働省:個別支援計画と説明・同意の基準(第171条から準用する第58条:本人の意向・他サービスとの連携を含む個別計画。)

この質問のリンク
宿泊型自立訓練では、面会や帰省、一人で過ごす時間はありますか?

対象:宿泊型自立訓練

掲載内容:2024年度の意思決定支援に関する運営基準改正を反映した、本人の希望と個別支援計画の案内

面会や帰省、一人で休む時間について、本人の希望を伝えて相談できます。ただし、面会できる時間、外泊の連絡方法、部屋や共用スペースの使い方は、候補の事業所で確認してください。いつでも自由にできると一律には約束できません。

支援の計画を作るときは、本人が望む暮らしを把握し、自分で決めることを大切にする基準があります。「家族と会いたい」「疲れたら一人で休みたい」なども伝え、必要な支援と生活の決まりを一緒に確認しましょう。計画は説明を受け、本人が同意して作ります。

見学では「帰省はいつ、誰に連絡するか」「一人で落ち着ける場所はあるか」「職員が部屋に入るときの声かけはどうするか」を聞いてみましょう。難しいと言われた場合も、理由と、希望に近づける別の方法を相談できます。これは当サイトからの確認例で、全事業所共通の生活ルールではありません。

根拠・参考:厚生労働省:指定障害福祉サービスの運営基準(生活訓練)(第171条:第9・57・58・89条等を生活訓練へ準用。) 厚生労働省:個別支援計画と説明・同意の基準(第57・58条:意思決定支援、本人の希望と自己決定、説明と同意。第9・89条:重要事項の説明、運営規程。面会等の質問は当サイトの確認例。)

この質問のリンク
宿泊型自立訓練の見学では、生活以外に何を聞けばよいですか?

対象:宿泊型自立訓練

掲載内容:2026年7月版の支給決定事務処理要領と指定障害福祉サービスの運営基準に基づく宿泊型自立訓練の案内

まず、いつから利用できそうか、申請・契約の手順、体験利用を行っているかとその費用を聞きましょう。体験や空室が必ずあるとは限りません。体調が悪い日や夜間の連絡先、日中の通所先との連絡方法も、具体的に確認します。

利用期間は原則2年が標準で、長期入院など、2年では十分な成果が得られないと認められる事情がある人は3年です。市区町村は1年ごとに継続の必要性を確認します。標準期間を超える更新にも審査があるため、「自分の利用期間はいつまでか」「終了後の住まいを誰と探すか」を早めに相談しましょう。

費用は、訓練のサービス利用者負担と、食費・光熱水費・日用品費などを分けた見積りをもらいましょう。居室の費用は、建物への公費補助などで徴収できる範囲に制限があります。全施設で一律に家賃がかかるとは限りません。金額と内容の説明を受け、外泊中にかかる費用も確かめてから契約します。

根拠・参考:厚生労働省:支給決定の事務処理要領(2026年7月版)(109ページ:標準2年、長期入院等は3年、1年ごとの継続確認、標準期間超過の更新時の市町村審査会の意見。) 厚生労働省:指定障害福祉サービスの運営基準(生活訓練)(第170条3~7項:日用品、食費・光熱水費・居室費等の範囲、事前説明と同意。体験・外泊費等の質問は当サイトの確認例。)

この質問のリンク
このサービスのQ&Aをすべて見る