Carecalculate社会保障制度と費用を知る

介護保健施設サービス(介護老人保健施設)の制度と支援内容

掲載内容:2026年6月1日施行の介護報酬改定に基づく内容

まず知っておきたいこと

どんなときに使う?
介護老人保健施設で医療的な管理やリハビリを受け、自宅での生活への復帰を目指します。
費用が変わるのは?
施設の区分、要介護度、部屋、リハビリなどで変わります。食費・居住費は別です。
次はどこへ相談する?
病院の退院支援担当者やケアマネジャーに、退所後に目指す生活と必要なリハビリを伝えて相談してください。

詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。

老健は医療・看護・介護とリハビリで、自宅への復帰を支える施設です。要介護1~5の対象条件、医師やリハビリ職の配置、部屋の広さ、基本型の料金と30日分の例を説明。入所相談から帰宅後の医療・介護の準備まで紹介。

退院後などに、家での暮らしへ戻る準備をする老健

介護老人保健施設(老健)は、介護が必要な人が、医療・看護・介護とリハビリを受けながら、自宅での生活へ戻ることを目指す施設です。「退院できるけれど、家のトイレまで歩けるか心配」「介助の方法を家族も練習したい」といったときに、病院の相談員やケアマネジャーへ相談できます。

本人ができる動作を増やすことだけでなく、手すりや福祉用具、家族の介助、帰宅後の訪問・通所サービスも含めて、どんな支えがあれば暮らせるかを考えます。施設で過ごす間も、本人の希望と習慣を大切にします。

日常の介護を受けて暮らす特養や、長期の医療と介護を支える介護医療院とは役割が異なります。今必要な医療と、退所後に望む生活を伝えて、合う場所を相談しましょう。

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要介護1~5で、医療・介護・リハビリが必要な人へ

入所は要介護1~5の人が対象です。要支援1・2の人は老健に入所できません。心身の状態、病状、自宅の環境を見て、医学的な管理の下での介護やリハビリ等が必要かを判断します。

必要な治療を老健で行えるか、薬や医療処置、感染症への対応なども確認します。病状から必要な支援が難しい場合は、適切な病院・診療所を紹介するなどの対応をします。定員より申込みが多いときは、医療管理下の介護・リハビリの必要性が高い人を優先するよう努める基準です。

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生活動作の練習を、食事・入浴・健康管理につなげる

老健で受ける支援
支援生活に結び付く内容
リハビリ本人の状態に合わせ、立つ・歩く・着替える等の日常の動作を保ち、取り戻すための練習を計画する。
医療と看護医師が病状を見て、必要な検査・投薬・処置等を行う。看護職員が療養を支える。
食事・栄養・口の健康本人の状態や好みに合わせて食事を支援し、栄養と口の衛生を計画的に管理する。
入浴・排せつ・身支度週2回以上の入浴または清拭、トイレやおむつ交換、着替え等を支える。
交流と楽しみ趣味や活動、家族との交流等を通じて日々の生活を充実させる。

医師・看護職員・介護職員・リハビリ職等の意見を合わせ、ケアマネジャーが施設サービス計画を作ります。本人・家族へ説明し、文書で同意した計画を本人に渡します。入所後も体調やできる動作を確かめ、目標を見直します。

「家の玄関を上がる」「トイレを使う」など、帰宅後に必要な動作を具体的に伝えると、練習の目標を共有しやすくなります。個別リハビリの回数・時間、日常の介護でどう練習を続けるかは施設に確認します。

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医師とリハビリ職を置き、看護・介護は合計3対1

通常の老健の主な職員基準
職種人数と役割
医師常勤換算で入所者数÷100以上。医療と療養の方針を決める。
看護・介護職員合計で入所者3人ごとに常勤換算1人以上。看護が約2/7、介護が約5/7の割合を標準とする。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士合計で常勤換算の入所者数÷100以上。必要なリハビリを行う。
支援相談員1人以上。入所者が100人を超える場合は、常勤1人に加え、超える人数÷100以上を常勤換算で配置。
ケアマネジャー原則常勤・専従で1人以上。100人ごとに1人を標準とする。
薬剤師・栄養士等薬剤師は実情に応じた人数。栄養士または管理栄養士は定員100人以上で1人以上。

基準の入所者数は前年度の平均、新設では推定人数です。常勤換算は勤務時間の合計による人数なので、例えば入所者90人に対する看護・介護30人分が、常に同時に勤務しているわけではありません。サテライトや医療機関併設の小規模施設には、本体等との連携を前提にした特例があります。

管理者は原則常勤・専従です。介護保険法では、都道府県知事の承認を受けた医師が管理し、承認を受けて医師以外の人が管理する例外もあります。本人の医療とリハビリの方針を誰に相談するかを確かめます。

ユニット型は昼間に各ユニットで介護または看護職員を常時1人以上、夜間に2ユニットごとに夜勤1人以上置き、各ユニットに常勤リーダーを置きます。実際の夜勤人数、看護師と医師の勤務・連絡体制も確認してください。

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療養室とリハビリの場所を、実際の生活動線で見る

国の原則的な部屋と設備の基準
場所内容
通常の療養室1室4人以下、1人当たり8㎡以上。寝台、身の回り品の収納、ナースコールを備える。
ユニット型の療養室原則1人10.65㎡以上。支援上必要な2人室は21.3㎡以上。1ユニットは原則おおむね10人以下、最大15人。
機能訓練室通常は定員×1㎡以上。定員100人なら100㎡以上。サテライト等の小規模施設では40㎡以上という基準がある。
食事・交流通常の食堂は定員×2㎡以上。ユニット型の共同生活室はユニット定員×2㎡以上が標準。
浴室・移動介助を受ける人に適した特別浴槽、使いやすいトイレや手すり、呼び出し設備等を備える。

診察室、談話・交流の場所なども設けます。併設施設の設備を利用する特例や既存建物の経過措置があるため、見学する施設の条件を確認します。ベッドからトイレ、食卓、訓練室まで移動して、自宅での生活につながる環境かを相談しましょう。

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施設の種類・部屋・要介護度で料金が変わる

老健の介護費は、要介護度だけでなく、在宅復帰を支える体制等による施設の報酬区分と部屋の種類で変わります。下表は「基本型」の例で、1単位10円・1割負担・加算減算なしの1日分です。

基本型の1日の介護費の例(1単位10円・1割)
要介護度従来型個室多床室ユニット型個室
要介護1717円793円802円
要介護2763円843円848円
要介護3828円908円913円
要介護4883円961円968円
要介護5932円1,012円1,018円

例えば要介護3の基本型・従来型個室を30日使うと、828×30=24,840単位。処遇改善加算Ⅱイ8.6%だけを加える例では2,136単位が増え、合計26,976単位です。1単位10円なら1割26,976円、2割53,952円、3割80,928円。地域単価やリハビリ等の加算、施設区分で変わります。

食費・居住費、理美容代などの日常生活費は別にかかります。おむつ代は保険給付に含まれ、別途徴収する扱いではありません。多床室も、施設の区分等によって室料相当額と介護報酬の控除の扱いが変わるため、介護費と居住費を一緒に見積もってもらいます。

食費・居住費の軽減には、所得・資産等の条件による負担限度額認定の申請があります。高額介護サービス費とは別の制度です。薬や診療等は介護報酬に含まれるものと別に算定するものがあるため、持病の治療や他院受診を含め、施設の医師・相談員に支払いを確認します。

老健の料金区分・リハビリ等の加算を見る

介護扶助など国の公費制度を見る

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退所後の暮らしを、入所中から本人・家族と考える

老健は自宅での生活への復帰を目指し、入所中も、体調、できる動作、家の環境から帰宅できるかを定期的に話し合い、記録します。退所の時期は、本人の状態と帰宅後の支援体制を踏まえて相談します。本人の目標と現在の課題を共有し、次の生活の見通しを相談します。

帰宅に向けて確かめること
確認点相談する内容
動作と介助ベッド・トイレ・食事・入浴のどこを一人ででき、どこに人の手が必要か。
住まい手すり、段差、ベッドや福祉用具、移動する場所をどう整えるか。
医療・薬退所後の主治医、薬の管理、通院・訪問診療等をどう続けるか。
支える人とサービス家族が担える介助と休息、訪問・通所等の組合せ、緊急連絡先。

退所の際は本人・家族に必要な指導を行い、家でのケアプランを作る担当者や主治医へ情報をつなぎます。帰宅が難しい事情がある場合も、相談員に早めに伝え、次の支援先を一緒に考えます。

帰宅後に通って受けるリハビリを見る

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病院やケアマネジャーから相談し、支援の目標を決める

  1. 入院中なら病院の相談員、自宅ならケアマネジャーへ、老健の利用を相談する。
  2. 施設へ病状・薬・医療処置、生活動作、自宅や家族の状況を伝える。
  3. 見学し、リハビリの内容・回数、昼夜の職員、部屋、月の見積りを確認する。
  4. 受入れの検討後、本人が目指す生活と支援計画、契約の説明を受けて同意する。
  5. 入所後もできること・困りごとを確認し、帰宅後の医療と介護を準備する。

施設ごとに得意とする支援や対応できる医療は違います。「歩けるようにしたい」だけでなく、家で何をできるようにしたいかを本人の言葉で伝えてください。家族が介護できる時間や体力も、無理をせず共有します。

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医療が必要になったときの対応と、安心して相談できる体制

施設の医師が必要な医療を行うことが難しいと判断した場合は、協力医療機関等への入院や他の医師への相談を手配します。外部の医師へ受診するときも、診療情報をやりとりして療養につなげます。

身体を縛るなどの制限は、生命や身体を守るため緊急やむを得ない場合を除き禁止です。理由等を記録し、適正化の委員会を3か月に1回以上開きます。虐待防止、感染症・食中毒対策、災害と支援の継続への備えを整え、研修・訓練を行います。

本人・家族の情報を守り、関係機関との共有には必要な同意を得ます。計画、支援、苦情・事故等の記録は国の基準で完結から2年間保存し、自治体の条例等で長い場合があります。困ったときは支援相談員や管理者へ、解決しない場合は市区町村や国民健康保険団体連合会へ相談できます。

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出典・掲載範囲

2026年6月施行の介護報酬と国の老健の人員・施設・運営基準に基づきます。料金表は基本型の例で、食費・居住費等は別です。施設の報酬区分、加算・控除、自治体の条例、サテライト等の特例、実際の医療とリハビリ体制により確認してください。

利用する前のQ&A

老健の費用には、医療やリハビリも全部入っていますか?

対象:介護保健施設サービス(介護老人保健施設)

掲載内容:2026年6月1日施行の介護報酬改定に基づく内容

老健は医学的管理やリハビリを通じて在宅復帰を支える施設ですが、費用は基本報酬に含まれるものと別に算定するものを分けて確認します。

施設の在宅復帰機能、居室、要介護度、短期集中リハビリなどの区分が関係します。食費・居住費も別に整理し、見積書の各欄に何が含まれるか施設へ聞きましょう。

根拠・参考:介護保健施設サービス(介護老人保健施設):算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載)

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