Carecalculate社会保障制度と費用を知る

小規模多機能型居宅介護の制度と支援内容

掲載内容:2026年6月1日施行の介護報酬改定に基づく内容

まず知っておきたいこと

どんなときに使う?
同じ事業所で通い・訪問・泊まりを組み合わせ、家での暮らしを支えます。
費用が変わるのは?
通常利用は要介護度などに応じた月額が基本です。食事や泊まりの費用、他のサービスと一緒に使えるかを別に確認します。
次はどこへ相談する?
ケアマネジャーや事業所に、必要な曜日と宿泊の希望、現在使っているサービスを伝えて相談してください。

詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。

通い・自宅への訪問・短い宿泊を組み合わせる小規模多機能型居宅介護。月額介護費と食事・宿泊の実費、登録29人と一日の定員の違い、職員数や部屋の広さ、ケアマネジャーの引き継ぎと利用開始の手順を説明します。

通う・家に来てもらう・泊まるを、ひとつの事業所で組み合わせる

小規模多機能型居宅介護は、自宅で暮らす人が、通いの介護、自宅への訪問、短い宿泊をひとつの事業所に相談できるサービスです。「小規模多機能」は、少人数の利用者を登録し、必要に応じていくつかの支え方を組み合わせるという意味です。

例えば、普段は昼間に通い、通わない日は家で食事や排せつの支援を受け、家族が不在になる日は泊まる、といった使い方を相談します。同じ事業所で本人の暮らしを知る職員が情報を共有し、体調や家族の事情の変化に合わせて支えます。

入所施設でずっと暮らす仕組みとは異なります。また、月額制でも好きな日に無制限に泊まれるわけではありません。本人に必要な支援の計画と、通い・宿泊の定員、職員体制を合わせて調整します。

この説明と表の根拠を確認する

要介護1~5の人が地域の事業所に登録する

このページは要介護1~5の人向けです。原則として事業所のある市区町村の被保険者が利用します。住所地特例等の扱いは市区町村に確認します。要支援1・2には、別の「介護予防小規模多機能型居宅介護」があります。

登録すると、事業所のケアマネジャーがケアプランを担当します。今の担当者がいる場合は、利用開始の前に引き継ぎを相談してください。同時に複数の小規模多機能へ登録して保険給付を受ける形にはできず、ほかの入所・短期入所等との費用の重複にも制限があります。

現在利用しているサービスは、契約を先にやめずに一覧にして相談します。継続する支援、事業所の通い・訪問へ切り替える支援、医療面で別途必要な支援をケアマネジャーと整理しましょう。

介護認定の申請と相談先を見る

この説明と表の根拠を確認する

その日の体調に合わせ、家での暮らしが続く計画を立てる

3つの使い方と相談すること
使い方受ける支援・確認すること
通い食事、入浴、排せつ、体を動かす練習や交流。短時間の利用や送迎の時間も相談する。
訪問職員が家へ行き、暮らしに必要な介助をする。通わない日の安否確認や電話での見守りも、状態に合わせて計画する。
宿泊いつもの拠点で短く泊まり、夜間の介護を受ける。泊まれる日、部屋、夜間の連絡先、宿泊費を確認する。

本人にとって大切なことを、計画の出発点にします。「家で朝食を食べたい」「家族が仕事の日も安全に過ごしたい」など、生活の希望を伝えます。職員が全部代わるのではなく、できる家事や地域の活動を続けることも支援の一部です。

ケアマネジャーは職員と相談して目標・支援内容をまとめ、本人に説明し、同意を得て計画を渡します。日々の様子を確認し、疲れが増えた、家族の負担が変わったなどの場合は、3つの支援の組み合わせを見直します。

看護師等を置く基準はありますが、訪問看護まで一体で提供する「看護小規模多機能型居宅介護」とは別です。医療処置や頻回な看護が必要なら、主治医と相談して支援体制を選びます。

訪問看護も組み合わせる看護小規模多機能を見る

この説明と表の根拠を確認する

登録は29人以下。通う人数と泊まる人数には別の上限がある

登録定員は「この事業所を利用する人の名簿の上限」、利用定員は「一日に通う人・泊まる人の上限」です。登録者全員が同じ日に来る前提ではありません。通常の事業所は登録29人以下で、通いの上限は登録人数によって変わります。

通常の事業所の定員
登録定員通いの一日の上限
25人以下15人
26人・27人16人
28人17人
29人18人

通いの定員は登録定員の半数以上の範囲で設定し、宿泊の定員は通いの定員の3分の1以上・9人以下とします。例えば登録29人・通い18人の事業所なら、宿泊定員は6~9人の範囲です。実際の定員と空きは事業所に確認します。

本体の支援を受けるサテライト型は、登録18人以下、通い12人以下、宿泊6人以下という別の上限です。通常の定員を超える提供は原則できませんが、状態から一時的に必要な通い・宿泊、災害、自治体が認めた過疎地域等には条件付きの例外があります。

この説明と表の根拠を確認する

通いは利用者3人に職員1人が基本。訪問と夜間にも人を置く

通常の事業所では、昼間の通いと訪問、夜間の勤務を分けて体制を確保します。常勤換算とは、職員の勤務時間を合計し、常勤職員何人分になるかを表す方法です。次の通いの人数は前年度の平均利用者数で、新設時は推定数で計算します。

通常の事業所の職員体制
役割必要な体制
昼間の通い利用者3人またはその端数ごとに、常勤換算で職員1人以上。平均15人なら5人分以上。
昼間の訪問通いの職員とは別に、常勤換算1人以上。
夜間・深夜夜勤1人以上と、必要な人数の宿直。宿泊者がいない場合は、夜間訪問の連絡体制を整えれば置かない特例がある。
看護職員等従業者のうち看護師または准看護師1人以上。従業者のうち1人以上は常勤。看護職が24時間常駐するという意味ではない。
ケアマネジャー所定の研修を修了した介護支援専門員を置く。支援に支障がない範囲で兼務できる。

管理者は原則常勤・専従で、認知症の人の介護に3年以上従事した経験と、所定の研修修了が必要です。管理に支障がなければ兼務できます。事業者の代表者にも、認知症介護や保健医療・福祉事業の経営の経験と所定の研修が求められます。

サテライト型や併設施設との兼務には別の条件があります。本体の看護師・ケアマネジャー等が支援する場合もあるため、名簿の人数だけでなく、本人が通う時間・泊まる夜に誰が対応し、急変時に誰へ連絡するかを聞きましょう。

この説明と表の根拠を確認する

泊まる個室は原則1人・7.43㎡以上。共用の部屋も確かめる

居間、食堂、台所、宿泊室、浴室、消火設備等を備える拠点です。居間と食堂は機能を果たせる適切な広さとされ、国のこの条文に一律の面積数値はありません。実際に車いすで移動できるか、食事と休憩の場所が落ち着けるかを見学します。

宿泊する場所の基準
部屋の種類広さ・人数と確認点
個室原則1人、1室7.43㎡以上。本人への支援上必要な場合は2人にできる。
個室以外の宿泊室個室で受け入れない宿泊定員1人につき、おおむね7.43㎡以上の合計面積を確保し、プライバシーを守る構造にする。
居間の利用プライバシーを確保した居間は、個室以外の宿泊室の面積に含められる。実際の寝る場所と仕切りを確認する。

宿泊できると聞いて、必ず独立した個室に泊まれると思い込まないことが大切です。トイレまでの距離、夜間の呼び出し、入浴の介助方法、荷物や薬の管理も、本人の状態に合わせて確認します。

この説明と表の根拠を確認する

介護費は月額が基本。食事代と宿泊費は別に見積もる

通常の登録利用は、通い・訪問・宿泊をまとめた月額の基本介護費です。次は1か月登録し、1単位10円・1割負担・加算と減算なしの場合です。「同一建物」は事業所と同じ建物に住む登録者の区分で、数日泊まったことだけを指しません。

1か月の基本介護費の例(1単位10円・1割)
要介護度事業所とは別の建物に住む事業所と同じ建物に住む
要介護110,458円9,423円
要介護215,370円13,849円
要介護322,359円20,144円
要介護424,677円22,233円
要介護527,209円24,516円

例えば別の建物に住む要介護1の人なら、基本10,458単位に処遇改善加算Ⅱイ16.8%だけを加える場合、加算は1,757単位、合計12,215単位です。1単位10円では1割12,215円、2割24,430円、3割36,645円。初期加算や看護職員配置等、ほかの加算・減算や地域単価があれば変わります。

食事代、宿泊費、おむつ代、本人が選ぶ通常地域外の送迎・訪問交通費等は別にかかる場合があります。内容と金額の事前説明を受け、同意して利用します。「介護費+予定する食数分+泊数分+その他実費」に分けた月の見積もりを頼むと、家計の支出がわかります。

所定の条件による短期利用には日額区分があり、要介護1で572単位です。通常の月額を利用日数で割った料金ではありません。月途中の登録・終了、支援回数が少ない場合の減算、他サービスとの重複も、算定条件を確認します。

小規模多機能の月額・短期利用と加算条件を見る

この説明と表の根拠を確認する

今の生活と利用中の支援を伝え、登録前に見積もりと計画を確認する

  1. 今のケアマネジャーや市区町村に相談し、本人の暮らす地域で登録できる事業所を探す。
  2. 本人と見学し、通い・訪問・宿泊をどんな組み合わせで使いたいか伝える。
  3. 担当ケアマネジャーの引き継ぎと、現在のサービスをどう組み替えるか相談する。
  4. 登録の空き、希望する日の宿泊、看護の対応時間、月額介護費と食事・宿泊等の実費を確認する。
  5. 計画と契約の説明を受け、同意して登録する。計画の控えと昼夜の連絡先を受け取る。

利用後も、通いから帰った後の疲れや、泊まることへの不安を伝えて調整します。別の事業所へ移るときは、直近の計画と支援状況の書類を受け取り、次の担当者へつなげます。自宅での生活が難しくなった場合も、希望する住まいへの移行を相談できます。

この説明と表の根拠を確認する

夜の急変、災害、苦情に備え、地域の人にも支援を見てもらう

急な体調変化があれば主治医や協力医療機関へ連絡し、必要な対応をします。事業所は協力医療機関を決め、夜間も病院や介護施設等の支援を受けられる体制を整えます。感染症や災害で通常の支援ができない場合の連絡・継続方法も確認しておきましょう。

本人の体を縛るなどの制限は、生命や身体を守るため緊急やむを得ない場合を除き禁止です。例外時も理由や時間を記録し、適正化の委員会は3か月に1回以上開きます。虐待防止、感染症対策、避難訓練等も事業所が備えるものです。

おおむね2か月に1回以上、本人・家族・地域住民等が参加する運営推進会議で、通いや宿泊の状況を報告し、評価や助言を受けます。計画、支援内容、苦情・事故等の記録は国の基準で完結から2年間保存します。自治体の条例等でより長い場合があります。

対応や請求に疑問があれば、管理者やケアマネジャーへ。事業所への相談で解決しない場合は、市区町村の介護保険窓口や国民健康保険団体連合会にも相談できます。

この説明と表の根拠を確認する

出典・掲載範囲

2026年6月施行の介護報酬と国の小規模多機能型居宅介護の基準に基づきます。通常の登録利用を中心に、サテライト型や短期利用との違いも示しています。料金例は1単位10円で、食事・宿泊等の実費は別です。自治体の条例、指定区分、加算の届出、本人の計画と契約内容を合わせて確認してください。

利用する前のQ&A

小規模多機能は、通い・訪問・泊まりを別々に足す料金ですか?

対象:小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護

掲載内容:2026年6月1日施行の介護報酬改定に基づく内容

通いを中心に訪問・泊まりを組み合わせる支援で、基本となる月額包括の報酬と、短期利用等の区分を分けて考えます。各回を別サービスとして単純に足す方法ではありません。

看護小規模多機能は看護を含み、医療保険の訪問看護を使う期間の調整も関係します。いずれも登録期間、他サービスとの併用、食事・宿泊の実費を事業所へ確認します。

根拠・参考:小規模多機能型居宅介護:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載) 看護小規模多機能型居宅介護:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載)

この質問のリンク
このサービスのQ&Aをすべて見る