Carecalculate社会保障制度と費用を知る

認知症対応型通所介護の制度と支援内容

掲載内容:2026年6月1日施行の介護報酬改定に基づく内容

まず知っておきたいこと

どんなときに使う?
認知症のある人が、本人に合う環境で日中の介護や活動の支援を受けます。
費用が変わるのは?
事業所の形態、要介護度、利用時間や追加の支援で変わります。食事などの実費は別です。
次はどこへ相談する?
ケアマネジャーに本人が安心して過ごせる環境や生活リズムを伝え、見学と見積もりを相談してください。

詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。

認知症のある人が安心して通うための支援を紹介。単独型・併設型・共用型の定員、職員、設備の違いと料金例を説明します。食費を分けた見積りの確認、本人に合う場所の見学、利用相談へ案内します。

どんなところ? 自宅での暮らしを支える通いの場

認知症対応型通所介護は、認知症のある人のためのデイサービスです。日中は事業所で食事や入浴、体を動かす練習などの支援を受け、自宅での暮らしを続けることを目指します。施設に入居するサービスではありません。

大切なのは、全員が同じ課題をこなすことよりも、本人が安心して過ごし、できることを続けられることです。例えば、料理が好きな人が食卓の準備に参加する、慣れた声掛けで入浴する、といった支援が考えられます。これは過ごし方の例であり、決まった一日の時間割ではありません。

本人に人と会う機会ができるとともに、家族にも仕事や用事、休息の時間ができます。見学では活動の種類だけでなく、本人が不安になったときにどう関わってくれるかも確かめてみてください。

この説明と表の根拠を確認する

利用できる人と、最初に確かめること

このページで説明する介護の区分は、認知症があり、自宅で暮らす要介護1~5の人が対象です。原因となる病気が急性の状態にある人は対象から除かれます。急に様子が変わったときは、通所の相談だけで済ませず主治医にも相談してください。

認定と住所の確認
今の状況相談する内容
要介護1~5認知症の診断や普段の生活を伝え、事業所で必要な支援を受けられるか相談します。
要支援1・2介護予防認知症対応型通所介護という別の区分です。このページの要介護者向け料金表とは金額が異なります。
認定をまだ受けていない市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターへ、認定申請から相談します。
住んでいる市区町村と事業所が違う地域密着型サービスなので、原則として住んでいる市区町村の指定を受けた事業所を使います。市外利用や住所地特例は担当窓口に確認します。

まだ認定を受けていない方へ:介護保険の申請から利用まで

この説明と表の根拠を確認する

日中に受けられる支援

食事、排せつ、入浴などで本人が難しいところを手伝い、体や生活の力を保つ練習をします。本人の希望、体調、生活の習慣に合わせて、事業所と支援内容を決めます。

生活場面ごとの支援の例
場面支援のイメージ利用前に聞くこと
食事・トイレ・入浴できる動作は本人が行い、必要な部分で声掛けや介助を受けます。入浴の対応、食事の形、トイレの介助は本人に合うか。
体を動かす・生活の練習歩く、立つ、身の回りのことをするなど、暮らしにつながる目標を立てます。どんな目標で、誰が支援するか。
人と関わる・落ち着いて休む本人の役割や希望を大切にし、疲れたときの休息も相談します。集団が苦手なときや不安が強いときの対応はどうするか。

例えば「食事は自分で続けたい」「入浴のときに怖がってしまう」という希望や困りごとを伝えると、何を手伝うかを具体的に相談できます。送迎の範囲、服薬への対応、医療的なケアが必要な場合の受入れは、候補の事業所に確かめてください。

この説明と表の根拠を確認する

施設の種類・利用人数・部屋の広さ

事業所には単独型、併設型、共用型があります。単独型と併設型はデイサービスのグループで過ごし、共用型はグループホームなどに住む人と同じ場所で過ごします。

一緒に過ごす人数の上限
種類どんな場所か通う人の定員
単独型・併設型単独型は独立した事業所。併設型は特別養護老人ホームや病院などに併設した事業所。同時に一体で支援する1グループ(単位)につき12人以下。介護予防と一体で行う場合は合計人数。
共用型:グループホーム入居者が使う居間や食堂。共同生活住居ごとに1日3人以下。
共用型:地域密着型の特定施設・特養(ユニット型以外)入居者が使う食堂や共同生活室。施設ごとに1日3人以下。
共用型:ユニット型の地域密着型特養少人数の生活単位(ユニット)の共同生活室など。入居者と通う人を合わせて、1ユニット1日12人以下。

特定施設は介護付き有料老人ホームなど、特養は特別養護老人ホームのことです。

「12人以下」は建物全体の人数とは限りません。別のグループがある場合もあるため、見学では本人が普段いっしょに過ごす人数を聞くと、実際の雰囲気をつかめます。

単独型・併設型にはどんな部屋がある?

食堂、機能訓練室、静養室、相談室、事務室のほか、消火設備などを備えます。食堂と機能訓練室は、食事と訓練のどちらにも支障がない広さを確保できれば、同じ部屋を使えます。

部屋の具体的な基準
場所必要なこと
食堂と機能訓練室合計で定員1人当たり3㎡以上。定員12人なら合計36㎡以上です。建物全体の面積ではありません。
静養室疲れたときなどに休める部屋を設けます。第44条には一律の面積の数値はありません。
相談室仕切りなどで相談内容が外に漏れないよう配慮します。
設備・備品消火など非常災害への備えと、サービス提供に必要な設備・備品を用意します。

ここは日中の通いの基準です。デイサービスの設備で夜間の宿泊サービスも行う場合は別のサービスで、市区町村への事前の届出が必要です。「通えるから泊まれる」とは限らないため、泊まりも必要なら料金と体制を分けて確認します。

この説明と表の根拠を確認する
この説明と表の根拠を確認する

職員は何人? どんな人が支える?

単独型・併設型では、生活相談員、看護職員または介護職員、機能訓練指導員を置きます。「常勤」はその事業所の通常の勤務時間で働くことです。以下は配置の基準で、実際の在籍人数とは違います。

単独型・併設型の配置基準
職種人数・時間の決まり
生活相談員提供日ごとに、サービス提供時間に対して1人分以上の勤務時間を確保します。例えば提供時間が7時間なら合計7時間以上です。
看護職員または介護職員1グループごとに専従1人以上に加え、提供時間に対してもう1人分以上の勤務時間を確保。サービス中は常時1人以上が従事します。
機能訓練指導員1人以上。生活に必要な機能の低下を防ぐ訓練を行う能力がある人で、同じ事業所のほかの仕事との兼務ができます。
常勤の職員生活相談員・看護職員・介護職員のうち、1人以上は常勤です。

「看護職員または介護職員」という基準なので、看護師が必ず一日中いるとは限りません。看護職員は看護師か准看護師です。看護・介護職員は利用者の支援に支障がなければ別グループも担当できるため、表の数字を足して「必ずこの人数が同時にいる」とは読みません。医療的なケアが必要なら、看護師の勤務時間と対応できる内容を聞いてください。

共用型は入居者と通う人を合わせて数える

共用型では、もとの施設の入居者と通う人の合計に対して、もとの施設の職員配置基準を満たす必要があります。通う人を受け入れても職員数の計算から外してよい、という制度ではありません。

例えばグループホームの昼間の介護従業者は、利用者3人またはその端数ごとに常勤換算で1人以上が基準です。常勤換算は職員の勤務時間をフルタイム何人分かに直した数字で、同時にその人数がいるという意味ではありません。利用者数は原則として前年度の平均、新規指定では推定数を使います。共用型では通う人も含めて配置を確認します。

特定施設や特養を使う共用型には、それぞれの施設の別の職員基準があります。見学では「通う人を含めて、日中はどの職種が何人いるか」を聞いてください。

この説明と表の根拠を確認する
この説明と表の根拠を確認する

管理者になる人に必要な条件

どの型も、原則として管理の仕事に専念する常勤の管理者を置きます。管理者には、このサービスを適切に提供するための知識と経験、それに厚生労働大臣が定める管理・運営の研修の修了が必要です。研修では人事管理や地域との連携などを学びます。

第43条・第47条では、管理者を看護師や介護福祉士だけに限定していません。資格名だけで決まる役割ではなく、必要な知識・経験と研修の条件で判断します。管理に支障がなければ、同じ事業所や他の事業所等の仕事を兼ねることも認められています。

共用型の事業者には、居宅サービスや介護保険施設などの運営について3年以上の経験が必要です。これは事業者側の要件であり、すべての管理者個人に「介護経験3年」と読み替えるものではありません。

利用する側は、管理者の名前、相談したいときの連絡方法、本人への支援や事故・苦情への対応を誰が説明するかを確認しておくと安心です。

この説明と表の根拠を確認する

いくら払う? 基本費用と食費を分けて考える

介護保険の対象となる費用のうち、本人が払うのは原則1割、一定以上の所得がある人は2割または3割です。自分の割合は「介護保険負担割合証」で確認できます。食費などの保険外費用は、この1~3割とは別に払います。

例として、単独型・要介護1・7時間以上8時間未満・1単位10円の地域で1回利用すると、基本部分は994単位=9,940円です。次の表は加算・減算・食費を入れない基本部分だけの例です。

基本部分だけの1回分の負担例
負担割合本人が払う基本部分保険から支払われる部分
1割994円8,946円
2割1,988円7,952円
3割2,982円6,958円

実際の請求は、事業所の型、要介護度、利用時間、地域の1単位の価格、加算・減算で変わります。例えば入浴の支援に加算が付く場合もあります。食費・おむつ代などは重要事項説明書や料金表で別に確認してください。

型・時間・要介護度別の単位数と、加算・公費の説明を見る

月8回通うなら? 計算につなげる例

同じ条件で月8回通い、処遇改善加算Ⅱイ20.9%が付く場合を考えます。これは職員の処遇改善のための加算です。食費を1回600円と仮定し、本人が1割負担なら、次のようになります。600円は計算のために置いた例で、国が決めた食費ではありません。

月8回・1割負担・1単位10円の例
内訳計算
基本単位994単位 × 8回 = 7,952単位
処遇改善加算7,952単位 × 20.9% = 1,662単位(四捨五入)
保険対象の本人負担合計9,614単位 × 10円 × 1割 = 9,614円
食費の仮定600円 × 8回 = 4,800円
この例の月の支払額9,614円 + 4,800円 = 14,414円

当サイトの計算は単独型が対象で、処遇改善加算Ⅱイ20.9%を固定して試算します。要介護度・要支援の区分、時間、利用日、地域、負担割合と、食費等の月合計を自分の条件に変えて使えます。併設型・共用型の料金には使えません。

利用日と食費を入れて、自分の月額を試算する

この例と計算には、入浴などのほかの加算、支給限度額を超えた分、高額介護サービス費や公費による払戻しは含めません。実際の支払いを確認するときは、ケアプランのほかのサービスと事業所の見積もりも合わせて確認します。

国の公費による支援と対象サービスを調べる

住んでいる自治体の医療費助成を調べる

この説明と表の根拠を確認する
この説明と表の根拠を確認する

利用までの流れと、見学で聞きたいこと

認定を受けている人は、まず担当ケアマネジャーに相談します。まだ担当者がいないときは、市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターで、相談先を紹介してもらえます。

  1. 本人が困ることと希望を伝える。「入浴が難しい」「一人の時間が心配」など、生活の場面で説明します。
  2. 候補の事業所を見学する。型、同じ部屋で過ごす人数、職員、送迎範囲、食費、医療面の対応を確認します。
  3. ケアプランと通所の計画を確認する。事業所の管理者は本人の状態・希望に合わせた計画を作り、本人または家族に説明して本人の同意を得ます。計画書は本人に交付されます。
  4. 利用後の様子を共有する。通所中の過ごし方や帰宅後の疲れなどを伝え、目標や利用の仕方を見直します。

見学では「一日何をしますか」だけでなく、「本人が嫌がったときはどうしますか」「いつ、誰に様子を聞けますか」と尋ねてみてください。認知症という病名が同じでも、好きなことや安心できる関わり方は一人ずつ違います。

この説明と表の根拠を確認する

安心して通うための約束と相談先

本人の意思や人格を大切にし、分かりやすく説明することが事業所に求められます。身体を縛るなど行動を制限する対応は、本人やほかの人の生命・身体を守るために緊急やむを得ない場合を除き禁止されています。例外として行う場合も、理由、時間、状態などの記録が必要です。

事業所は計画や実際の支援、事故、苦情などを記録します。国のこの基準では、利用者への提供記録は完結から2年間保存する決まりです。自治体の条例等でより長い保存期間が定められる場合もあるため、記録を確認したいときは管理者へ相談してください。

利用前に、体調が急に悪くなったときの連絡、災害や感染症で通常どおり通えないときの対応、苦情の窓口を聞いておきましょう。気になる対応があり、事業所だけでは解決しない場合は、市区町村の介護保険窓口や国民健康保険団体連合会にも相談できます。

この説明と表の根拠を確認する

出典・掲載範囲

国の基準をもとに、認知症対応型通所介護の内容を説明しています。本文の人数や面積は基準であり、個々の事業所の実際の配置や空き状況ではありません。事業所の指定・市区町村の条例と、利用前に受け取る重要事項説明書も確認してください。金額例は記載した条件での例です。

利用する前のQ&A

デイサービスの見積りは、利用日数だけで比べてよいですか?

対象:通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護

掲載内容:2026年6月1日施行の介護報酬改定に基づく内容

利用日数だけでは比べられません。同じ月8回でも、要介護度、1回の利用時間、通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護のどれかによって基本料金が違います。通所介護は事業所の規模、認知症対応型は単独型・併設型などの区分でも変わります。見積りには、正式なサービス名と時間の区分を書いてもらいましょう。

比べるときは「基本料金の自己負担」「入浴や機能訓練などの加算の自己負担」「食費などの保険外費用」を分けます。食費は事業所の金額と利用回数を確認し、月に実際いくら払うかで比べてください。日用品や活動の材料費などは、何に払う費用か、希望した場合だけかも確認します。

当サイトの試算は、通所介護は通常規模型、地域密着型通所介護は療養通所介護を除く区分、認知症対応型通所介護は単独型を扱います。認知症対応型では要支援の区分も選べます。ほかの規模・型の見積りに、そのまま当てはめることはできません。

計算では処遇改善加算Ⅱイを固定して含めますが、入浴などの個別の加算は含めません。食費などは自動では決まらないため、確認した月額を実費欄に入力します。往復の送迎があるなどの前提や、限度額超過・助成を反映しない範囲も結果下で確認し、最終的な見積りは事業所に確かめましょう。

根拠・参考:厚生労働省:指定居宅サービス介護給付費単位数表(別表6 イ・ロ・ハ。要介護度、所要時間、規模別区分。) 厚生労働省:指定地域密着型サービス介護給付費単位数表(別表2の2・3。地域密着型と認知症対応型の時間・型別区分。) 厚生労働省:通所介護等における日常生活に要する費用の取扱い(記1・2、別紙(1)・(6)。その他の日常生活費の内訳、選択・同意。) 通所介護:算定解説と根拠資料(当サイトの試算対象、固定加算、対象外条件。) 地域密着型通所介護:算定解説と根拠資料(当サイトの試算対象、固定加算、対象外条件。) 認知症対応型通所介護:算定解説と根拠資料(当サイトの試算対象、固定加算、対象外条件。)

この質問のリンク
このサービスのQ&Aをすべて見る