Carecalculate社会保障制度と費用を知る

療養介護の制度と支援内容

掲載内容:2026年度の障害福祉制度の概要

まず知っておきたいこと

どんなときに使う?
医療と常時の介護が必要な人が病院で暮らし、機能訓練や日常生活の支援を受けます。
費用が変わるのは?
福祉サービスの料金と医療の費用は別です。食事なども含め、負担の軽減と合わせて確認します。
次はどこへ相談する?
病院の相談員と市区町村の障害福祉窓口に、医療・福祉それぞれの申請と支払いを確認してください。

詳しい対象条件と根拠は、この後の説明に掲載しています。

長く病院で治療と介護を受ける人と家族へ。療養介護の対象となる医療的ケアや障害支援区分、看護・生活支援の職員配置を解説。福祉部分の30日分の費用例と、別にかかる医療費・食費、申請できる医療型個別減免を案内します。

病院で治療を受けながら、日々の暮らしも支える

療養介護は、長期の入院による医療的ケアと、常時の介護の両方が必要な人を病院で支える障害福祉サービスです。医療に加え、体の機能を保つ訓練、食事やトイレ、着替えなどの日常生活の援助を受けます。福祉サービスとしては主に昼間の支援を担い、医療の部分は「療養介護医療」として扱います。

例えば、呼吸の管理が必要な人が、病状に合わせて体を起こしたり、好きな活動を楽しんだりする暮らしを支えます。本人の希望、意思を伝える合図、家族との交流も計画に含めて相談できます。日中に通って活動する生活介護とは、必要な医療と提供場所が異なります。

日中の活動と介護を受ける生活介護を見る

この説明と表の根拠を確認する

区分と医療的ケアの状態を組み合わせて確認する

対象は、長期の入院による医療的ケアに加え、常時の介護が必要な人です。主な条件は次のとおりです。障害支援区分は生活で必要な支援の度合、医療的ケアの判定スコアはケアの内容等を点数にしたものです。

主な対象条件
障害支援区分合わせて確認する状態
区分6気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っている。
区分5以上重症心身障害または進行性筋萎縮症。
区分5以上医療的ケアの判定スコアが16点以上。
区分5以上行動関連項目等12項目が合計10点以上で、医療的ケアの判定スコアが8点以上。
区分5以上遷延性意識障害(意識の障害が長く続く状態)があり、医療的ケアの判定スコアが8点以上。

このほか、これらに準じるとして市区町村が認める場合や、2012年4月の制度移行前からの一定の利用者に関する扱いがあります。医療的ケアがあるだけで全員が対象になるわけではありません。主治医の情報を基に市区町村と確認し、病院の受入体制も調整します。

この説明と表の根拠を確認する

看護・訓練・身の回りの介助と、本人の楽しみを組み合わせる

病院で受ける支援
支援具体的な内容
看護と介護病状に合う看護、排せつの援助、おむつ交換、ベッドから起きること、着替えや身だしなみの介助。
機能訓練体の機能を保ち、回復や日常生活につながる訓練。
生活の相談・活動過ごし方の相談、レクリエーション、家族と交流する機会の調整。

サービス管理責任者が本人の希望や生活の状態を聞き、療養介護計画を作ります。本人や家族への説明と本人の文書同意を経て計画を渡し、少なくとも6か月に1回は見直します。体調や希望が変わったときは、定期の見直しを待たず相談できます。

この説明と表の根拠を確認する

看護職員と生活支援員を、利用者数に応じて配置する

療養介護の基本的な職員配置
職種基準の概要
医師健康保険の療養担当に関する基準以上。
看護職員利用者2人に対して常勤換算1人以上。ここでいう看護職員には看護師・准看護師・看護補助者を含む。
生活支援員利用者4人に対して常勤換算1人以上。うち1人以上は常勤。基準を上回る看護職員を数に含められる場合がある。
サービス管理責任者利用者60人以下なら1人以上。60人を超えて40人またはその端数ごとに1人追加。うち1人以上は常勤。

利用者数は原則として前年度平均で、看護職員・生活支援員は支援を一体で行う単位ごとに数えます。例えば同じ単位の平均利用者40人なら、看護職員20人分、生活支援員10人分が基本です。常勤換算は勤務時間を人数に直す方法で、その人数が常に同時に病棟にいるという意味ではありません。

管理者も置き、管理に支障がない場合は他の仕事を兼ねられます。医療型障害児入所施設等と一体で運営する場合には別の基準を満たすことで扱う特例があります。実際の夜間配置、必要な医療的ケアへの対応、報酬区分に応じた追加体制は病院に確認します。

この説明と表の根拠を確認する

病院の設備に加え、活動や交流に使う場所を確認する

提供場所は医療法上の病院です。病院として必要な設備に加え、多目的室など運営に必要な設備を備えます。療養介護の設備条文には、多目的室の一人当たり面積の全国一律の数値は示されていません。病室の設備などは病院に適用される別の基準と合わせて確認します。

見学や面談では、車いす等で過ごせる場所、面会や好きな活動の場所、本人の意思を伝える道具の使い方を聞くと、入院後の暮らしを考えやすくなります。利用定員は病院ごとに定め、原則として定員を超えた受入れはできません。

この説明と表の根拠を確認する

福祉部分の30日分の例は33,954円。医療費・食費は別

2026年6月の報酬で、療養介護サービス費Ⅰ・定員40人以下の事業所を30日利用し、1単位10円、処遇改善加算Ⅱイ16.2%のみを加える例です。ほかの加減算は含めません。下表は福祉部分だけの金額です。

福祉部分の月額例
計算する部分金額・単位
基本部分974単位×30日=29,220単位
処遇改善加算Ⅱイ29,220単位×16.2%=4,734単位(端数処理後)
福祉の給付対象費用33,954単位×10円=339,540円
原則1割・上限等を反映する前33,954円

請求を確認するときは、①福祉部分、②療養介護医療の部分、③食費や日用品等を分けます。福祉部分が非課税世帯等で0円になっても、医療費や食費まで一律0円になるわけではありません。所得区分と医療型個別減免を反映した、それぞれの負担額を病院に説明してもらいましょう。

療養介護Ⅰの福祉部分を地域・日数で試算する

療養介護の料金区分と加算条件を見る

この説明と表の根拠を確認する

医療型個別減免は申請が必要。医療費・食費の負担も相談する

20歳以上の入所者で市町村民税非課税の人は、医療型個別減免の対象です。申請を受けて市区町村が収入を認定し、生活のために残す金額を考慮して、福祉・医療・食費それぞれの負担上限等を決めます。申請しなければ適用されません。

生活のために残す計算上の金額は基本25,000円、障害基礎年金1級を受ける人や60歳以上の療養介護利用者等は28,000円です。実際には収入の種類や必要経費、食事療養の標準負担額も使い、福祉部分を最後に0円へ置き換える手順があります。単に年金から25,000円を引けば請求額がわかる、という計算ではありません。

20歳未満の入所者は全ての所得区分が対象で、保護者の世帯や年齢に応じた別の計算になります。市区町村へ必要書類を確認し、決定後は受給者証の「福祉」「医療」「食費」の金額を病院と一緒に確かめます。

この説明と表の根拠を確認する

主治医・病院の相談員と、市区町村の窓口へ相談する

  1. 主治医や病院の相談員へ、今必要な医療・介護と今後の暮らしを相談し、市区町村の障害福祉窓口につなぐ。
  2. 申請・調査を進め、療養介護の対象条件と必要な支援を確認する。所得や医療型個別減免の申請も相談する。
  3. 受入先と医療機器・介助・意思表示・面会等を確認し、福祉分・医療分・実費の見積りを分けて説明してもらう。
  4. 支給決定・受給者証と計画を確認して契約し、現在の支援方法や本人の希望を引き継いで利用を始める。

病院に空きがあるかだけでなく、本人が必要とする医療に対応できるか、日々どんな時間を過ごせるかを確認します。住む場所や支援先を変えたいという希望も、サービス管理責任者に相談できます。

この説明と表の根拠を確認する

治療中でも、本人の意思と相談できる相手を大切にする

本人が言葉で話せない場合も、視線や表情、使い慣れた道具などで希望を確かめます。ケアの時間や過ごし方について、理解しやすい方法で説明を受け、質問できます。家族への説明だけで本人の希望を省くものではありません。

職員には秘密を守る義務があり、他事業所への情報提供には事前の文書同意が必要です。苦情は病院・事業所の窓口へ、直接言いにくければ市区町村へ相談できます。身体拘束は緊急やむを得ない場合を除いて禁止され、例外でも理由や時間等を記録します。虐待防止の体制と職員研修も必要です。

この説明と表の根拠を確認する

医療機器を使う人の避難や停電への備えも確認する

病状が急に変わったときは、必要に応じて他の専門医療機関へ連絡するなどの対応を行います。医薬品や医療機器を適切に管理し、感染症・食中毒を防ぐ委員会、指針、研修・訓練を整えることも求められます。

災害時の連絡・避難・救出の計画と訓練、支援を続けるための計画も必要です。本人や家族は、呼吸管理等を続けながらどう避難するか、停電への備え、緊急時に誰から連絡が来るかを病院に確認しておきましょう。

この説明と表の根拠を確認する

出典・掲載範囲

2026年6月の障害福祉サービス報酬、同月版の利用者負担認定の手引き、現行の運営基準に基づきます。試算は療養介護サービス費Ⅰの定員別基本部分と固定の処遇改善加算Ⅱイです。医療分、医療型個別減免の自動判定、食費・日用品費、他区分・他の加減算は含みません。料金例は本文の条件による福祉部分のみで、入院生活の総支出ではありません。

利用する前のQ&A

医療を受ける入所の「福祉部分」の試算だけで、支払い全体が分かりますか?

対象:療養介護・医療型障害児入所支援

掲載内容:2026年6月施行の障害福祉サービス等報酬改定に基づく内容

試算には福祉部分の基本報酬と処遇改善の固定分を含みますが、医療を含む入所全体の支払いは分かりません。処遇改善は療養介護Ⅱイ16.2%、医療型障害児入所Ⅱイ28.1%を仮定しています。

医療費、食事などの生活費、加算や負担軽減を分けて確認します。医療型障害児入所では、指定医療機関や有期有目的入所など、当サイトの計算対象外の区分もあります。施設の見積書と範囲をそろえてください。

根拠・参考:療養介護:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載) 医療型障害児入所支援:算定解説と根拠資料(当該サービスの費用の構成・対象条件・掲載期間。各項目に一次資料への参照を掲載)

この質問のリンク
このサービスのQ&Aをすべて見る